法政基礎演習

最終更新日:2021年4月7日

授業科目名
法政基礎演習
標準年次
2
講義題目
政治学の古典を読む
開講学期
前 期
担当教員
木村 俊道(KIMURA T.)
単位数
2単位
教  室
D108
科目区分
入門科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Introductory Seminar on Legal and Political Studies
Course Overview
Reading classical texts of the political studies, this seminar explores the tradition of the liberal arts for the citizen.
履修条件
◆本を読むことが好きで、政治学・法学の「古典」や「名著」を読破してみたい方。公務員や法曹、ジャーナリストや議員などを志望し、社会人として必要な「市民」としての「教養」や「わざ」を身につけたい方。あるいは、時代に流されず、哲学・歴史・理論の観点から、法や政治に関わる人間の営みを深く理解したい方などを歓迎します。
授業の目的
◆法政基礎演習の共通目標
この授業科目は、少人数のゼミ形式により、
 (1)リサーチ・分析能力、
 (2)ディスカッション・プレゼンテーション能力、
 (3)レポート・論文作成能力、
という、将来どのような進路を選んでも必ず要求される、汎用的な能力を伸ばすことを目指します。

◆本演習の目的
この演習では、上記の共通目標を踏まえて、以下のような能力やスキルを磨くことを目指します。

(1)「古典」classics から学ぶ
・法学・政治学の古典や名著を実際に講読・熟読・輪読することで、先人の優れた考えを真似る(=学ぶ)とともに、テクストの基礎的な読み方や、他者の声や意見に耳を傾けることの大切さを学びます。

(2)学問の「型」form を身につける
・「自由」や「デモクラシー」、「正義」や「公共性」などの概念や歴史に関する基礎的な知識を得ることに加え、法的・政治的な現象を多角的に捉え、批判的に分析・理解するための学問的な思考法や技能を修得します。

(3)市民の「教養」artを育む
・学問的な知識や技能を応用し、論点や課題を見つけ、自分の考えをまとめ、それを他者に伝え、議論するといった、社会に出てからも必要とされる、総合的・実践的な「わざ」を培います。
授業の概要・計画
◆この演習では、政治学・法学の古典や名著をじっくりと読み進めていきます。このような通読の作業を通じて、学問的な思考の型を修得し、市民的な教養を涵養するための「稽古」をします。

 ※「稽古」という言葉には、古くから伝えられたものを通じて、物を考えるという意味があります。

◇今年度は以下の2冊を読む予定です。

◆ ニッコロ・マキァヴェッリ『君主論』1532
◆ オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』1930

 『君主論』は16世紀初頭のイタリア・フィレンツェで、『大衆の反逆』は戦間期のスペインで書かれた作品です。

 国家存亡の危機や大衆社会の病理に対峙したこれらの古典からは、政治やデモクラシーの劣化が進む現代社会に必要な歴史の教訓や統治の知恵、あるいは「ノブレス・オブリージュ」(高貴な義務)の精神を学ぶことができるでしょう。
授業の進め方
◇初回はイントロダクションです。その後、テクストを丁寧かつ地道に読み進めていきます。

◆毎回のゼミは以下のように進めます。
(1)報告者を2名ずつ指名します。
(2)報告者は、テクストの内容を「レジメ」にまとめ、それを「報告」します。併せて「コメント」も用意します。
(3)それ以外の参加者には毎回、コメント・ペーパーの提出が求められます。
(4)その後、テクストの解釈や論点について、全員で「討論」します。
教科書・参考書等
◆マキアヴェリ『君主論』池田廉訳、中公文庫・新版、2018年
 オルテガ『大衆の反逆』佐々木孝訳、岩波文庫、2020年
成績評価の方法・基準
◆毎回のゼミへの出席や発言、報告などの平素に加え、毎回のコメント・ペーパーやレポートの内容によって総合的に判断します。前者においては、共通目標の(1)リサーチ・分析能力、(2)ディスカッション・プレゼンテーション能力、後者では(1)リサーチ・分析能力と(3)レポート・論文作成能力が判定されます。
◇無断欠席は認めません。
その他(質問・相談方法等)
◇質問等がある方はメール等で気軽にお尋ねください。研究室も随時訪問可能です。
事前/事後学修 各回4時間相当