少年法

最終更新日:2021年4月7日

授業科目名
少年法
標準年次
3・4
講義題目
少年法理論の最前線
開講学期
前 期
担当教員
武内 謙治(TAKEUCHI K.)
単位数
4単位
教  室
E110
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Juvenile Law
Course Overview
This lecture examine the key problems about juvenile delinquency and the juvenile law in Japan. This course focus on criminological theories, historical fact, international standards and the legal system about juvenile delinquency.
履修条件
 特別な履修条件はありません。
 刑法(総論・各論)、刑事訴訟法、刑事政策といった刑事法科目に関する基本的知識があると一層学修を深めることができます。

*注意*
(1)この授業は、現在のところ、【対面授業】で行う予定です。【2021年3月30日追記】
(2)この授業を受講する人は、M2B学習支援システム(Moodle)にて「2021年度前期・火3金2・少年法(武内謙治)」に自己登録してください。授業の具体的な実施方法についても、Moodleにて随時お知らせします。
(3)この授業の資料は、M2B学習支援システム(Moodle)にて配付します。登録の上、授業前に各自でダウンロードしておいてください。【2021年4月7日追記】
(4)少年法(および刑事政策)は、隔年開講科目です。2022年度は刑事政策が開講され、次回の少年法の開講は2023年度となります。
授業の目的
 この授業で修得が目指されるのは、下記の事項です。

A.知識・理解:
(1)少年非行現象およびそれへの(司法的)対応にかかわる、科学的なエビデンスのある犯罪学上の知見の正確な知識と理解
(2)少年司法制度の基本的な仕組みの知識と理解
(3)少年司法制度をめぐる国内外の法規範の仕組みと理解


B.専門的技能
(1)少年非行現象とそれへの対応を、「事実」と「規範」の観点から整理できるようにする。
(2)少年非行現象をめぐる「事実」を踏まえた刑事政策的な解決策を考えることができるようにする。
(3)少年非行現象をめぐる「規範」を理解した上で、規範的解決を行うことができるようにする。
(4)少年非行現象に対し現行の法規範で対応できない問題を発見し、立法論的解決を行うことができるようにする。


C.汎用的技能
(1)社会事象や問題を多角的に考察できるようにする。
(2)社会的な事象や問題の複雑さや多面性を理解できるようにする。
(3)複雑で多面的である社会的な事象や問題の解決を導くのに説得的な思考方法や判断方法をとることができるようにする。
(4)説得力ある思考や判断を口頭および文章で表現できるようにする。

D.態度・志向性
(1)「犯罪」現象への望ましいあり方について主体的に考えることができるようにする。
授業の概要・計画
(授業の概要)
 まず、刑事司法制度と対比する形で少年司法制度の全体像を確かめます。次いで、少年法の「基礎の基礎」となる事項(少年非行の性質と少年司法を用いた非行対応の効果、法の歴史、国際人権法の基本的な仕組み)について基本知識を修得してもらいます。その上で、手続の流れに沿って、重要な解釈論上・立法論上の問題を個別的かつ具体的に、検討して行きます。問題の検討にあたっては、上記の「基礎の基礎」とどのように関連しているか、他の問題と体系的にどのようにかかわるかを、明確にして行きます。

(授業計画)
 現時点での計画は次の通りです。

[少年法の基礎の基礎]
第01講 ガイダンス・少年司法制度の概観
第02講 「改正」少年法の概観
第03講 少年司法制度の理念と機能
第04講 国際条約と国連準則
第05講 少年保護のディメンション
第06講 少年非行と少年保護の現況
第07講 少年司法制度における「保護」の基礎

[少年司法制度を用いた少年の保護]
第08講 補導と環境浄化
第09講 少年事件の捜査と調査
第10講 事件の送致
第11講 調査
第12講 観護措置
第13講 試験観察
第14講 処遇の種類とその内容
第15講 処遇の選択
第16講 審判手続
第17講 修正された審判手続
第18講 適正な事実の認定
第19講 一事不再理
第20講 不服の申立て

[刑事司法制度を用いた少年の保護]
第21講 検察官送致と再移送
第22講 少年に対する刑事処分と刑事手続

[少年保護のあらたな課題]
第23講 犯罪報道と少年保護
第24講 犯罪被害者と少年保護
第25講 付添人の役割と機能
授業の進め方
(授業の方法)
 授業は、可能な限り双方向性をもつ授業にします。
 参加者には、具体的事例を交えながら、質問を行います。どのような回答でも授業につなげますので、参加者のみなさんは恥ずかしがらずに安心して自分の考えを述べてください。
 授業は、基礎的な知識や思考枠組みがいかに重要か、反対に、現実に生起する問題に対処するためにどのような事項が身に付けるべき基礎的知識・思考枠組みとして求められるのか、理解してもらえるように進めていきます。
 授業方法については、状況が許せば対面で行いたいと考えていますが、諸事情によりオンラインにすることがあります。

(講義案の配布方法・授業に関する告知の方法)
 M2B学習支援システム(Moodle)を使って、講義案と事前に考えてきてもらう問題を配布します。受講者の方はM2B学習支援システム(Moodle)に登録するようにしてください。
 授業の方法やその変更についてもM2B学習支援システム(Moodle)を使って告知しますので、普段から十分注意するようにしてください。
教科書・参考書等
(教科書)
 武内謙治『少年法講義』(日本評論社、2015年)
 4644円(税込み。Kindle版でも可)
 http://www.nippyo.co.jp/book/6694.html
成績評価の方法・基準
(成績評価の方法)
(1)レポートまたは試験
(2)リアクション・ペーパーおよび小テスト

(成績評価の基準)
(1)70%:レポートまたは試験による。
(2)30%:リアクション・ペーパーおよび小テストの結果による。
 成績評価は、上記「授業の目的」で示した事項に沿って行う。
その他(質問・相談方法等)
 質問は、授業中も含めて、いつでも受け付けます。
 講義は、毎回、「その日、その場所でしか生まれない」やりとりを通して進めていきます。みなさんと一緒に思考し、考えていく講義を目指します。みなさんも、是非積極的に講義に参加して下さい。
事前/事後学修 (事前学習)
(1)M2B学習支援システム(Moodle)にアクセスし、「考えてみよう」および「講義案」をダウンロードしてください。
(2)「考えてみよう」の設問を読み、回答を準備してください。回答はメモを書き留める程度で結構です。回答を準備する際、併せて教科書を読んでおいてください。

(事後学修)
(1)授業で扱った問題につき、教科書を読んでください。
(2)授業を聴いて明らかになった疑問点を書き留めておいてください。
(3)教員の指示にしたがい、リアクション・ペーパーで疑問点を書き、提出してください。

 各回4時間相当の事前/事後学修を行うことが必要です。