政治史演習

最終更新日:2021年3月10日

授業科目名
政治史演習
標準年次
3・4
講義題目
恐慌の政治史
開講学期
通 年
担当教員
熊野 直樹(Kumano N.)
単位数
4単位
教  室
演習室4
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
 Politics in Depression
Course Overview
 This course focuses on the past and the present of politics in depression. This seminar will compare well-known economic policies in Japan, Germany and America.
履修条件
 恐慌の政治史というテーマについて、一年間議論していけるほどの関心と熱意がある方。
授業の目的
 本演習の目的は、以下の4点です。
1.政治史関係の学術論文の読み方を習得する。
2.政治史を解釈する際に必要な用語や概念を十分に理解し把握する。
3.自分の考えを的確にかつ論理的に相手に伝えることができるようになる。
4.ゼミ論文の執筆を通じて、調査能力と論文作成能力を育成・発展させる。
 本演習では、特に4.のゼミ論文の作成に力を入れています。
授業の概要・計画
 2020年初めに全世界に拡大した新型コロナウィルスによって、ヒトの移動が止まるとともに、世界市場間の流通も止まりました。その結果、1930年代のブロック経済のような状態が現出し、世界の貿易は停滞したままです。こうしたコロナ不況は、着実に実体経済に深刻な影響を与えつつあります。
 このコロナ不況は、約10年前のリーマンショック、さらには1929年に勃発した世界恐慌と比較されています。コロナ不況の行方はまだ見通せないままですが、10年前のリーマンショック及び戦間期の世界恐慌において、危機克服のためにいかなる政治が行なわれたのでしょうか。
 本演習では、以上のような目的意識から、現在の状況を検討しつつ、リーマンショック及び世界恐慌期の政治を、危機克服のための政策に着目して、検討していきます。

【授業計画】
1.コロナ不況に関する現代の政治経済についての検討。
2.リーマンショック時の政策についての検討。
3.世界恐慌期の各国の政策についての検討。
4.ゼミ論文の構想発表会(後期に2回開催予定)
  ゼミ論文の合評会を兼ねたゼミ旅行(年度末)
授業の進め方
 毎回、報告者1名とコメンテーター1名を定めて、テキストに関する報告者のコメントを中心に、参加者全員が議論していきます。
 
教科書・参考書等
ジョン・K・ガルブレイス、村井章子訳『大暴落1929』日経BPクラシックス、2008年。
C・P・キンドルバーガー、石崎昭彦・木村一朗訳『大不況下の世界 1929‐1939』東京大学出版会、1982年。
林敏彦『大恐慌のアメリカ』岩波書店(岩波新書)、1988年。
鎮目雅人『世界恐慌と経済政策』日本経済新聞出版社、2009年。
浜矩子『グローバル恐慌』岩波書店(岩波新書)、2009年。
侘美光彦『「大恐慌型」不況』講談社、1998年。
成績評価の方法・基準
 平素並びにゼミ論文。
 夏休みには3年生には、E・H・カー『歴史とは何か』の書評を課します。
その他(質問・相談方法等)
 本演習は、開講以来、少人数をモットーとしており、定員は最大8名です。後期は、ゼミ論文の作成に力を入れて取り組むために、ゼミ論文構想発表会を2回予定しています。
 年度末には、ゼミ旅行を行います。年度末のゼミ旅行では、秘湯ないしはマイナーな温泉地等でゼミ論文の合評会を行います(2019年度は、糸島の初音旅館を予定していましたが、コロナ禍のため中止)。
事前/事後学修 教科書の該当箇所の読み込みと授業後の復習。各回4時間相当。