行政法演習

最終更新日:2021年3月10日

授業科目名
行政法演習
標準年次
3・4
講義題目
行政法理論の検討
開講学期
通 年
担当教員
鈴木 崇弘(Suzuki T.)
単位数
4単位
教  室
演習室2
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Seimnar on Administrative Law
Course Overview
In this course, we will discuss and examine the outline of the theory in Japanese administrative law.
履修条件
行政法T(行政過程論)を受講すること(単位取得の有無は問わない)。
新3年生は、この演習と並行して、前期に開講される行政法U(行政救済論)を受講することを推奨する。
授業の目的
「行政法」とは、森羅万象ありとあらゆる政策に関する膨大な数の法令の総称であり、それらは毎日のように制定・改廃されている。それにもかかわらず、行政法が全体として統一性・整合性を保っているのは、行政法総論(救済法を含む)の理論体系が存在するからである。とはいえ、行政法総論の理論体系は未だ完成していない。
以上を踏まえ、この演習で追求する目的は以下の三つである。第1に、(A)一般的な知識の観点として、行政法総論の理論体系の発展過程を追うことにより、どこにどのような問題があるのかを明らかにすることを目的とする。第2に(B)専門的技能の観点として、(A)で明らかにした問題に対する改善案を提示することを目的とする。そして第3に、(C)汎用的能力の観点として、(B)で新たに築いた理論及び具体的な法令を用いることにより、現実における種々の問題を解決する能力を涵養することを目的とする。
授業の概要・計画
以下は、現時点での予定であるが、参加者の希望を勘案し適宜変更する。又、社会情勢が許すのであれば、実務家をお招きし、現場で問題となっている事案等をお話し戴くことも予定している。
第01回 オリエンテーション・報告者決定
第02回 行政の概念
第03回 行政法と民事法
第04回 法律と条令
第05回 行政行為論と行為形式論
第06回 行政裁量
第07回 行政行為の分類
第08回 行政行為の効力
第09回 行政行為の無効と取消
第10回 行政行為の取消と撤回
第11回 行政立法と行政基準
第12回 行政契約
第13回 行政上の義務履行確保
第14回 行政指導
第15回 行政計画
第16回 行政手続
第17回 行政情報
第18回 取消訴訟の審理と判決効
第19回 取消訴訟の訴訟要件(1)処分性
第20回 取消訴訟の訴訟要件(2)原告適格
第21回 取消訴訟の訴訟要件(3)訴えの利益
第22回 仮の救済
第23回 当事者訴訟
第24回 国家賠償
第25回 損失補償
第26回 行政審判
第27回 行政委員会
第28回 道州制・圏域
第29回 独立行政法人論・行政主体論
第30回 公物
授業の進め方
授業の進め方   授業形態:演習
担当者によるテーマ報告及びそれを素材とした参加者全員による議論を主とした形態である。
(以下、具体的な進め方)
授業の前半では、担当者が(1)当該テーマについて田中二郎はどのような議論を行っていたか(古典)、(2)当該テーマについてその後の学説はどのように発展してきたか(現状)、なぜ発展しなければならなかったのか(差違の背景)、(3)行政実務にとって現状に問題はないか(展望)を報告する。授業の後半は、参加者全員によって、報告内容について議論を交わす。
教科書・参考書等
○教科書
原田大樹『行政法クロニクル』(有斐閣、2019年)※電子版

○参考書(以下に掲げた書籍は一例である)
大橋洋一『行政法I〔第4版〕』(有斐閣、2019年)
大橋洋一『行政法II〔第3版〕』(有斐閣、2018年)
高木光『行政法』(有斐閣、2015年)
成績評価の方法・基準
ゼミでの報告内容・発言内容を基にして成績をつける。
評価の基準として、特に行政法理論の問題点を正確に明らかにできたかという点を重視する(当該問題点に対して解決策を提言できるか、当該解決策は種々の法令を運用するに当たり問題はないか、という点は副次的な考慮要素とする)。
その他(質問・相談方法等)
特になし。
事前/事後学修 教科書の該当箇所の読み込みと授業後の復習。各回4時間相当。