政治学史基礎

最終更新日:2021年10月4日

授業科目名
政治学史基礎
標準年次
2
講義題目
近代政治思想史の基礎
開講学期
後 期
担当教員
木村 俊道(KIMURA T.)
単位数
2単位
教  室
大講1
科目区分
基盤科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Foundations of History of Modern Political Thought
Course Overview
Reading the classical texts from Machiavelli’s The Prince to Arendt’s The Human Condition, this lecture provides overview of the history of modern political thought.
履修条件
「古典」の世界は、まだ見ぬ世界の大きさや広がり、そして、常に立ち戻るべき範型を示してくれます。そうした、時代に流されない「古典」の世界や、「政治」や「近代」の成り立ちに関心がある方などを歓迎します。
授業の目的
(1)政治学・政治思想史の基礎的な概念や知識を学びます。【知識・理解】
(2)政治学の古典を、テクストに即して、内在的に読む力を養います。【専門的技能】
(3)学問的な思考や、物事を批判的に理解する態度や習慣を身につけます。【態度・志向性】【汎用的技能】
授業の概要・計画
政治学は、古代ギリシアに遡る最古の学問分野の一つです。この講義では、以下に挙げた古典を通じて、近代政治学・政治思想史の基礎を学びます。いずれも、大学生、とりわけ法学部生の必読書です。マキァヴェッリ『君主論』からアーレント『人間の条件』に至る、16世紀から20世紀にかけての東西の古典のなかから、一回につき一作品+αを取り上げ、丁寧に講義します。
これらの作品群との対話や出会いによって、「政治」や「近代」の成り立ちや、その知的世界の広がりと厚みを理解するだけでなく、より深い学問と教養の世界に誘われることが期待されます。
授業の進め方
現時点での案は以下の通りです。

1.イントロダクション
2.マキァヴェッリ『君主論』
3.ホッブズ『リヴァイアサン』
4.ロック『統治二論』
5.モンテスキュー『法の精神』
6.ルソー『社会契約論』
7.バーク『フランス革命の省察』
8.ハミルトン、ジェイ、マディソン『ザ・フェデラリスト』
9.トクヴィル『アメリカのデモクラシー』
10.J. S. ミル『自由論』
11.福沢諭吉『文明論之概略』
12.ウェーバー『職業としての政治』
13.アーレント『人間の条件』

※担当教員による解説(又は板書)を主として授業を進めます。また、資料の配布や回覧等により関連の知識を深めます。

※対面で実施する予定ですが、今後の状況や全学・学部の方針によって変更する可能性があります。

※(10/2追記)この授業は対面で実施しますが、当面はオンラインを併用します。ただし、今後の状況により、原則対面、あるいはオンラインのみに変更することもあり得ますので、ご留意ください。
オンライン(Zoom)のURLはMoodleに記載しています。
教科書・参考書等
【参考書】
☆岡崎晴輝・木村俊道編『はじめて学ぶ政治学』ミネルヴァ書房、2008年
☆宇野重規『西洋政治思想史』有斐閣アルマ、2013年
☆山岡龍一『西洋政治理論の伝統』放送大学教育振興会、2009年
☆渡辺浩『日本政治思想史−17〜19世紀−』東京大学出版会、2010年
☆杉田敦・川崎修編『西洋政治史思想資料集』法政大学出版局、2014年

★講義ではまた、以下のテクストをもとに講義をするので、関心がある方は、独自にどんどん読み進めてださい(教科書指定ではありません)。

ホッブズ『リヴァイアサン』永井道雄・上田邦義訳『リヴァイアサン(I, II)』中公クラシックス、2009年/ロック『統治二論』加藤節訳、岩波文庫、2010年/モンテスキュー『法の精神』野田良之他訳、岩波文庫、全3冊、1989年/ルソー『社会契約論』桑原武夫・前川貞次郎訳、岩波文庫、1954年/ハミルトン、ジェイ、マディソン『ザ・フェデラリスト』斎藤眞・中野勝郎訳、岩波文庫、1999年/バーク『フランス革命の省察』半澤孝麿訳、みすず書房、1978年/トクヴィル『アメリカのデモクラシー』松本礼二訳、岩波文庫、全4冊、2005-2008年/ミル『自由論』塩尻公明・木村健康訳、岩波文庫、1971年/バジョット『イギリス憲政論』小松春雄訳、中公クラシックス、2011年/福沢諭吉『文明論之概略』松沢弘陽校注、岩波文庫、1995年/中江兆民『三酔人経綸問答』桑原武夫・島田虔次訳、岩波文庫、1965年/リップマン『世論』掛川トミ子訳、岩波文庫、上下、1987年/アレント『人間の条件』志水速雄訳、ちくま学芸文庫、1994年
成績評価の方法・基準
定期試験や課題の提出等によって、当該科目における知識・理解、専門的・汎用的技能・態度・志向性を総合的に評価します。
※今年度は、コロナ禍による授業形態の変更がありえるため、詳細は講義中に適宜お伝えします。

その他(質問・相談方法等)
質問は授業中もしくは終了後に受け付けますが、研究室も随時訪問可能です。
なお、この講義では取り上げない古代ギリシアからルネサンス・近世までの、より高度な内容の西洋政治思想史については、前期の「政治学史I」で講義します。後期にはまた、島田先生による「日本政治思想史」も開講されます。
本科目はEU研究ディプロマプログラム(EU-DPs)に開放されています。http://www.euij-kyushu.com/jp/home/index.htm
事前/事後学修 各回4時間相当。