Course Title |
Constitutional Law II (Fundamental Rights) |
Course Overview |
Lecture on fundamental rights |
履修条件 |
とくになし。ただし憲法1【統治機構論】を履修したことを前提として講義を進めるので、その理解に自信のない者は、復習等をしておくことを薦める。 |
授業の目的 |
(1)講学上「人権論」「基本権論」と呼ばれる範囲についての一通りの知識を得ることが課題であるが、この講義に毎回出席することにより、(2)90分延々と続く単調な講義を聴きながらも、何が重要であるかを判断し、それをノートにとるという、大学時代にぜひとも身につけておくべき能力を伸ばすこと、および(3)憲法をめぐる法と政治について、今後各自が考えていくための手がかりと方法とを身につけること、を目的とする。 |
授業の概要・計画 |
日本国憲法の諸規定のうち、第三章「国民の権利及び義務」に定められているものを中心に講義をする。以下のような章立てを予定しているが、変更の可能性もある。細目次は講義が終わるたびに南野のHP上で公開・更新する予定である。
第一部 人権総論 第一章 「人権」の概念 第二章 権利の類型 第三章 権利の主体 第四章 権利の妥当範囲 第五章 権利の制約 第二部 人権各論 第六章 平等 第七章 精神的自由 第八章 経済的自由 第九章 社会権 第十章 手続的権利・新しい人権 |
授業の進め方 |
シラバス執筆時点(2021年3月)では、この講義は、オンラインではなく対面で行うことにしている。 毎回の授業は講義形式で進める。教員がただ喋るだけの古いタイプの講義である(毎回の出欠も取らない)。
【2021年10月15日一部修正】 新型インフルエンザ特措法にもとづく福岡県を対象地域とする緊急事態宣言が、幸いにも、9月末日で解除されたので、この授業は10月4日の初回から対面で行っている。 ただし、法学部の現に有効な後期の授業方針(9月13日告知分)が有効である限り、講義のオンライン中継の視聴を希望する学生にはその機会を提供する(ダウンロードや録画、他者への提供を禁じる。さらに、不可抗力により中継の品質が悪くなったり中継そのものが失敗したりしても、一切対応できないので予めその点の了承を求める)。希望者は、毎回、授業当日の午前10時以降午前11時までに、対面授業に出席できない理由を添えて、メールで南野まで申し込むこと。これ以外の時間帯に視聴を希望しても、対応しない。 |
教科書・参考書等 |
【2021年9月27日一部修正】 ■特定の教科書1冊を指定することは敢えてしないが、受講者各自の判断で、信頼できる教科書を1冊(以上)購入し、予習・復習の際に常に熟読・参照して「完璧なノート」を作成していくことを強く薦める。本講義に関しては、次の@からCのうちのいずれかを選択することを勧める。それぞれの特徴・特長については、初回講義で説明する。
@長谷部恭男『憲法〔第7版〕』(新世社、2018年) A野中俊彦ほか『憲法T〔第5版〕』(有斐閣、2012年) B渡辺康行ほか『憲法T/基本権』(日本評論社、2016年) C樋口陽一『憲法〔第4版〕』(勁草書房、2021年)
■判例解説集として、次のDは講義の後半において参照することが多くなるので常備して欲しい。
D長谷部恭男ほか(編)『憲法判例百選T〔第7版〕』(有斐閣、2019年11月)
■憲法学のいくつかの論点についてより深く学ぼうとする意欲的な学生には、次のものを薦める。そこから脚注や参考文献欄を参考に、どんどん読書の対象を広げていってほしい。
E安西文雄ほか『憲法学の現代的論点〔第2版〕』(有斐閣、2009年) F南野 森(編)『憲法学の世界』(日本評論社、2013年) G宍戸常寿=林知更(編)『総点検 日本国憲法の70年』(岩波書店、2018年) H山本龍彦=横大道聡(編)『憲法学の現在地』(日本評論社、2020年) |
成績評価の方法・基準 |
新型コロナの感染状況にもよるが、対面授業が行える状況であれば対面で行う期末の筆記試験による(感染状況により別な方法で行うこともあり得る)。原則として、(1)講義で扱った範囲についての基礎的な知識の蓄積が問われる短答問題、(2)当該範囲について、平素から教科書や判例を読むなどして自学自習(とくに復習)を深めたかが問われる論述問題の2種類で、総合的に評価する予定であるが、詳細は試験の近づいたころに改めて説明する。 なお、答案の書き方・憲法の勉強の仕方については、
I南野森「書く力・学ぶ力をブラッシュアップする/憲法」法学教室2019年3月号10-15頁
をも参考にしてほしい。 |
その他(質問・相談方法等) |
講義後等の質問を歓迎する。研究室への直接の来訪も歓迎する(アポナシでも可)。月曜日の講義後、木曜日の講義後は、確実に研究室にいるので(ただし木曜は5限からゼミのため、それまでのあいだに限る)、その間の来室はとくに歓迎する。 |
事前/事後学修 |
各回につき4時間程度は必要である。とりわけ、毎回の授業後に、概説書・教科書の関連する箇所、関連する判決を読み、ノート等にまとめておくこと(復習)が重要である。 この授業では学生の出欠を確認しないので、授業をサボることも学生の自由であるが、それでも毎回の授業で扱われた部分についての自学自習を進めておく必要は当然ある。期末試験直前に友人のノート等を借りて大慌てで試験対策をしても、ほぼ無意味である。 |