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 九州大学では、2000年度から研究院制度を発足させており、学部生の所属する教育組織である「法学部」、大学院生の所属する教育組織である「法学府」と「法務学府」(法科大学院)、教員の所属する研究組織である「法学研究院」があります。

 法学部は、1924年9月に九州帝国大学法文学部として創設され、1949年5月に新制九州大学発足に伴い法学部となりました。2024年には法文学部創設100周年を迎えます。これまでに1万7千人を超える卒業生を輩出しています。法学・政治学教育を通じて、地域社会、日本社会、国際社会でリーダーシップを発揮しうる創造性豊かな人材(弁護士・裁判官・検事、公務員、企業・団体の職員、国際機関やNGOの職員、大学等の研究者など)の養成を目指しています。

 法学府は、いわゆる大学院です。修士課程は、研究者、専修、国際の3コースに分かれ、博士後期課程は、研究者、高度専門職業人、国際の3コースに分かれています。高い倫理性・社会性に裏打ちされた、国際レベルで活躍しうる創造性豊かな研究者とルール形成や政策形成をリードすることのできる高度な専門的知識・能力をもつ高度専門職業人を養成することを教育目的としています。国際コースはいずれも英語で教育が行われ、海外の大学を始めとする教育・研究機関等との連携が行われています。

 法務学府は、法曹養成を目的とする専門職大学院です。いわゆる法科大学院のことです。詳細は、法科大学院のホームページをご覧ください。

 法学研究院は研究組織です。基礎法学、公法・社会法学、民刑事法学、国際関係法学、政治学、実務法学の各部門があります。法科大学院の教員も原則として法学研究院に所属しています。所属教員は、法学部、法学府、法科大学院等の教育に携わるほか、科学研究費補助金をはじめとする外部の競争的資金を獲得し、研究に従事しています。古代ギリシャや古代ローマに遡ることができる法学・政治学の長くて豊かな伝統を継承しつつ、知的財産法、情報法など、新しい時代の要請にも応える研究が展開されています。法政学会をはじめとして研究会・学会活動も活発に行われています。

 新しい時代の要請に応えるために、大学には恒常的な改革が求められています。法学部では2015年度から、「GV(Global Vantage)プログラム」を実施しています。英語力を重視した特別入試を実施し、それらの学生を中心に、そのほかの意欲ある学生も巻き込みながら、国際化を推進しようとするものです。また2020年度から法学部に法曹コースが設置されました。法科大学院と連携した本コースの体系的・一貫的教育課程によって学部を3年間で修了し、法科大学院の既修者コース(2年間)に進学できるようになりました。

 社会連携も推進しています。各教員による社会貢献・国際連携活動のほかに、弁護士会、司法書士会、行政書士会、社会保険労務士会、さらにはタイ司法省などとの連携を行っています。

 2020年4月に、法学研究院長・法学府長・法学部長に就任いたしました(法科大学院長は小池泰教授です)。長い伝統を踏まえ、これまでの改革の成果を受け継ぎながらも、不易流行を旨に時代の要請に応えるための改革を続けて参ります。2018年10月には法学部(法学府、法学研究院)が箱崎キャンパスから伊都キャンパスに移転いたしました。騒音のない新たな環境の中、法学研究院スタッフ一同、研究・教育に日々励んでおります。在学生の皆さまやそのご家族、卒業生の皆さまのみならず、地域社会をはじめとする皆さまのより一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。