最終更新日:2017年8月21日
授業科目名 |
国際知的財産法研究第二 |
履修コース |
研・専 |
講義題目 |
情報法英語文献講読 |
授業区分 |
後期 |
担当教員 |
小島 立 |
単位数 |
2単位 |
教 室 |
206 |
科目区分 |
修士課程 |
履修条件 |
本授業は,法学部の「外国法律書講読(英語)」との合併授業です。 |
授業の目的 |
本授業では,情報法の英語文献を講読します。情報法に対する理解を深めるとともに,外国語(英語)能力の涵養を目指します。 |
授業の概要・授業計画 |
【授業概要】 本授業では,Daniel J. Solove, Understanding Privacy (Harvard University Press 2008)を講読します(本文197頁)。 デジタル技術及びネットワーク技術の進展により,インターネットを介した情報の送信及び共有がより一層進んでいます。このような現代社会におけるプライバシー及びプライバシー情報のあり方について考えてみたいというのが,この授業の内容です。 Blog,TwitterやFacebookといったソーシャルメディアの発達は,大規模メディア産業中心であった情報流通のあり方に変容を迫りつつあります。ここのところ,ソーシャルメディアによってプライバシー情報が社会に暴露されるといった事態も散見されます。 また,クラウドコンピューティングの技術革新も目覚しく(皆さんの中で,Gmailなどのサービスを使っておられる方も多いでしょう),私たちが所有するPCなどに情報を格納しておくのではなく,私たちに関する重要な情報が全て,「クラウド」という「雲の中」に漂っている時代が到来することも,そう遠くはないかもしれません。 その一方では,厳しい財政状況を反映した行財政改革の議論の中で,統一的な「税・社会保障共通番号」の導入も取り沙汰されるなど,行政機関が私たちの情報を一元的に管理しようという動きも見受けられます。 このように,私たちのプライバシー情報についての議論は,伝統的な「国家による情報管理」という側面に加え,大量の情報を収集する事業者をいかに位置づけ,統御するのかということも大きな問題となりつつあります。 このような複雑化した状況の中で,プライバシーについて考えることで,プライバシーという「私」の領域と,公開という「公」の関係について思いをめぐらすことも,この授業で試してみたい思考実験です。 【授業計画】 以下の予定で,指定文献を読み進めていくことにします。 第1回(10/5): Preface,pp.1-11 第2回(10/12): pp.12-24 第3回(10/19): pp.24-38 第4回(10/26): pp.39-49 第5回(11/9): pp.50-67 第6回(11/16・3限): pp.67-77 第7回〔補講〕(11/16・4限): pp.78-89 第8回(11/30): pp.89-100 第9回(12/7・3限): pp.101-117 第10回〔補講〕(12/7・4限): pp.117-136 第11回(12/14): pp.136-149 第12回(12/21): pp.149-161 第13回(1/11): pp.161-170 第14回(1/18): pp.171-183 第15回(1/25・3限): pp.183-197 第16回〔予備日〕(1/25・4限) |
授業の進め方 |
1.概要 講読において,特に担当者を決めることは致しません。また,文章の全訳を求めることはありませんが,文章のまとまり(意味の固まり)を自分で把握し,その要約を行なって下さい。 2.予習時の留意点 (1)予習の際,何が文章の主題として取り上げられているのか,何と何が対比(比較)して書かれているのか,従前の問題状況はどういった内容で,筆者はそれに対してどのような分析を加え,従来の考え方とどのように違った意見を持っているのか,といった点について,意識的に注意を払っていただきたいと思います。 (2)これまでの担当教員の経験から申し上げますと,学生の皆さんは,個々の短熟語の意味を辞書で調べることに意を用いすぎ,一定の長さの文章が固まりとして何を言っているのかを把握することが苦手であるような気がします。そのような「木を見て森を見ない」状況に陥らないように気をつけながら,予習を行なって下さい。 (3)重要な法的概念について,授業担当者が質問を行なうこともありますので,丁寧に予習していただきたいと思います。 3.授業時間について 前述したとおりですが,毎回,それなりの分量を講読しますので,授業時間を若干延長することもあります。予めご了承下さい。 |
教科書及び参考図書等 | 1.著作権の関係上,参加者全員に本1冊を丸々コピーしてお渡しすることはできません。講読する文献を生協文系書籍部に用意致しますので,参加者は各自購入した上で授業に臨んで下さい。生協価格は,2,120円(税込)と聞いております(本年9月16日現在)。 2.授業には,英和辞書(電子辞書でも可)を必ず持参して下さい。 3.授業担当者の外国語教育に対する基本的な考え方を知る上での参考文献を,法学部の「コアセミナー(法政基礎演習1)」(2007年度前期・金曜4限)のシラバスに記していますので,関心のある方は御覧いただきたいと思います。URLは以下のとおりです。 http://www.law.kyushu-u.ac.jp/faculty/syllabus/syllabus.cgi?nengakki=2007_1&id=62 |
成績評価の方法・基準 | 授業への出席及び平素の授業態度(発言回数や発言内容)に加え,学期末に,5,000字程度(A4で3〜4枚程度;脚注込み)の書評を提出していただき,成績評価を行ないます。 |
その他(質問・相談方法等) | ご不明な点があれば、授業担当者までお尋ね下さい(メールアドレスは、kojima[アットマーク]law.kyushu-u.ac.jp)。 |