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国際公法研究第二(特講流用)

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
国際公法研究第二(特講流用)
履修コース
研・専
講義題目
近現代中国の政治と社会
授業区分
後期
担当教員
角崎 信也
単位数
2単位
教 室
未定
科目区分
修士・博士課程
履修条件
授業の目的
「中国の台頭」が論じられるようになって久しい。それは今や「起こり得る将来」ではなく、「今ある現状」のことを指している。中国は2010年に名目GDPで日本を上回り、さらに近い将来を米国も追い越して世界第一位の経済大国となることが確実視されている。むろん、パワーの増大は経済の領域のみにとどまっているのではなく、「下部構造」の変化は当然その政治的影響力の増大および軍事力の増強に直結している。こうしたことに鑑みれば、中国という国家の現状を適切に理解し、その展望を描くことの重要性は過去の比ではない。ただしそれは、中国と中国を取り巻く現状を観察することのみによって可能になるのではない。「現在に生きる私たちは、過去を主体的にとらえることなしに未来への展望をたてることはできない」(E. H. カー)のだとすれば、むしろ未来を展望するための捷径は「歴史」を省察することにある。本授業の目的は、最新の研究にもとづいて中国の近現代の政治と社会の歴史的展開(来し方)を学ぶことを通じ、歴史の中に「現在」を定位することで、中国政治社会の今後(行き方)を展望するための視座を獲得することにある。
授業の概要・授業計画
 本授業の主たる講義内容は、清末から改革開放期の現代に至る中国の政治史である。なぜ辛亥革命は起こったのか?なぜ共和制の理想は頓挫したのか?いかにして国民革命は成ったのか?なぜ中国共産党が勝利したのか?なぜ代議制(人民代表大会)は形骸化したのか?なぜ社会主義が選択されたのか?なぜ大躍進は数千万の死者を出すに至ったのか?なぜ文化大革命は起こったのか?なぜ改革開放が選択されたのか?など、中国の近現代史における主要な問題を授業ごとに設定し、最新の研究をもとに解答を示していく。その上で、歴史が持つ現代へのインプリケーションを参加者全員で議論していきたい。
授業の進め方
授業ごとに講師がレジュメを配布する。レジュメの内容は画像資料とともにパワーポイントに表示し、それに沿って授業を進める。また、内容に関連する有用な映像資料がある場合はそれも併用する。
教科書及び参考図書等
教科書はとくに指定せず、毎回レジュメを配布する。講義に当たり参考とする図書は以下。
吉澤誠一郎『清朝と近代世界―19世紀〈シリーズ 中国近現代史 1〉』岩波新書、2010年
川島真『近代国家への模索―1894-1925〈シリーズ 中国近現代史 2〉』岩波新書、2010年
石川禎浩『革命とナショナリズ―1925-1945〈シリーズ 中国近現代史 3〉』岩波新書、2010年
久保亨『社会主義への挑戦 1945-1971〈シリーズ 中国近現代史 4〉』岩波新書、2011年
天児慧『中華人民共和国史』岩波新書、1999年
西村成雄・国分良成『党と国家―政治体制の軌跡 (叢書 中国的問題群 1)』岩波書店、2009年
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