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国際公法研究第二

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
国際公法研究第二
履修コース
研・専
講義題目
国際政治の理論と実践
授業区分
後期
担当教員
石田 康之   
単位数
2単位
教 室
3研
科目区分
修士・博士課程
履修条件
 国際政治学、特に国際関係理論ならびに現代のアジア太平洋地域の国際関係や日本の外交・安全保障の問題に関心がある方。
授業の目的
 本授業では、国際政治を考える上で役立つ国際関係理論を学び、その分析枠組み(眼鏡)を用いながら、事例として現代のアジア太平洋地域の国際関係と日本の外交・安全保障について学びます。
日本を取り巻く東アジア・太平洋地域の国際関係は、一方で経済発展にともない相互依存や民主化の動きが広まり、様々な多国間地域協力の枠組みも発展していますが、他方で近年の東アジアの安全保障環境は、厳しさを増しており、先行きが不透明で不安定な状況になっています。米国の覇権の後退とアジア関与の行方、中国の台頭にともなう強硬な自己主張と対外政策、東シナ海や南シナ海における領土や海洋安全保障をめぐる摩擦や対立、朝鮮半島をめぐる動向など、日本を取り巻く東アジア・太平洋地域の安全保障環境は予断を許さない状況にあります。
 このような国際社会の動向や地域情勢の変化にともなう状況を適切に理解するためには、時事問題に関心をもち注意深く観察することに加えて、国際社会の歴史的趨勢を踏まえて、国際政治学の基本的なツールである国際関係理論の分析枠組み(眼鏡)を用いて複眼的かつ総合的に考察することが役立ちます。ジョセフ・ナイ博士の言葉を借りれば、「歴史と理論を行きつ戻りつすることによってしか、国際政治の研究と実践の複雑性を、より明確に理解することはできない」のであり、さらに、国際政治において「理論と実践は相互に貢献しうることがきわめて多い」といえるでしょう。
 以上のような問題意識のもとで、本授業では国際政治を観るうえで役立つ国際関係理論の見方を学ぶこと、さらに国際関係理論の眼鏡を通して、現代のアジア太平洋地域の国際関係や日本の外交・安全保障について理解と知見を深めることを目的とします。
授業の概要・授業計画
 講義の前半では、国際政治(学)の基礎、とりわけ国際関係理論(分析枠組み/眼鏡)について学びます。現実主義(リアリズム)、自由主義(リベラリズム)、マルクス主義、構成主義、国際社会学派/英国学派などの諸理論を学びます。
 講義の後半では、国際関係理論の眼鏡を用いながら、ポスト冷戦と21世紀の国際社会の見方、アジア太平洋地域の国際関係と安全保障、日本の外交・安全保障などのテーマについて学びます。
授業の進め方
 各回のテーマについて配布資料(テキスト)を読みつつ、講義を行い、議論をします。
教科書及び参考図書等
 授業で使用する教科書は、配布資料(テキスト)を使用します。テキストは基本的に日本語のものを使用しますが、事前に配布するので授業までに読んできてください。

【主要な参考文献】
岡崎久彦『戦略的思考とは何か』(中公新書、1983年)
田中明彦『新しい「中世」−21世紀の世界システム』(日本経済新聞社、1995年)
田中明彦『ポスト・クライシスの世界』(日本経済新聞出版社,2009年)
中西寛、石田淳、田所昌幸『国際政治学』(有斐閣、2013年)
細谷雄一『国際秩序―18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ』(中公新書、2012年) 
村上泰亮『反古典の政治経済学』(中央公論社、1992年)
村田、君塚、石川、栗栖、秋山「国際政治学をつかむ」(有斐閣、2009年) 
吉川直人、野口和彦編『国際関係理論』(勁草書房、2014年)
渡邉、秋山編著『日本をめぐる安全保障 これから10年のパワー・シフト』(亜紀書房、2014年)
John Baylis, Steve Smith, and Patricia Owens,eds, The Globalization of World Politics (OUP)
成績評価の方法・基準
成績評価(出席・平常点、筆記試験、レポートを総合的に評価します。)
筆記試験(問題は事前に提示、授業最終回に実施します。)
レポート(A4、5-10枚、授業最終回から3週間以内に提出。)
その他(質問・相談方法等)
 参加希望者は、事前に下記のアドレスにメールを下さい。質問・相談は随時受け付けます。
ishida*jiia.or.jp (*の代わりに@を入れて下さい。)
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