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刑事訴訟法研究第二(特講流用)

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
刑事訴訟法研究第二(特講流用)
履修コース
研・専
講義題目
 
授業区分
前期
担当教員
船木 誠一郎   
単位数
2単位
教 室
1研
科目区分
修士・博士課程
履修条件
特にありません。
授業の目的
 刑事訴訟実務の実態と課題を検討することにより、刑事訴訟法に対する理解を深めるとともに、刑事法全般の理念を考察する契機とします。
授業の概要・授業計画
 刑事訴訟実務について、手続の実際の流れを把握した上で、基本的原理、理念の運用状況を説明し、これの課題を検討します。
 刑事訴訟手続に関しては、しばしば、実務と理論が乖離しているなどと評されることがありますが、この評価は正しい側面を有するものの、正確ではありません。実務の基礎には確固とした「理論」があり、ただ、手続法のひとつではあるものの、その適用において利害が拮抗する場面が多く、また、諸制度の多くが歴史に根ざしていることもあって、多くの論点が理念的な問題と関係することから、実務実態とは対立する論からすれば、理論がないとの感を生じさせているという側面があります。
 このように、刑事訴訟法を考察することは、その性質上、理論、理念を考察することと不可分であり、授業においては、実務の実情をマニュアル的に説明するのではなく、実務の運用が、理論、理念とどのように関連するのかという観点(もとより批判的観点も含みます)から説明することを心がけたいと思っています。
 前期においては、具体的な論点における実務や判例を紹介することに主眼をおき、その論点としては@弁護人制度と弁護権の内容、A起訴状一本主義の実情、B訴因論、C公判前整理手続の実情と問題、D裁判員裁判制度実施による変化、E伝聞法則と伝聞例外といったことを中心にしたいと考えています。
 また、実務上の制度として、取調の可視化(取調状況の録画・録音)、司法取引制度等についても、論及する予定です。
 なお、実体法(刑法)の問題についても、関連する範囲で、近時の動向等について、検討の対象としたいと考えています。
授業の進め方
 まず、刑事手続の全体像を概観した後、前記各論点について、順次、授業の対象とします。
 裁判傍聴等も含めて、具体的方法については、受講生の希望も聴くこととします。
教科書及び参考図書等
 特に指定等はありません。
 刑事訴訟法の概説書等を参考にして下さい。
なお、取り扱う判例の多くは、刑事訴訟法判例百選(有斐閣)に掲載されていると考えられるので参照して下さい。
成績評価の方法・基準
 試験は考えていません。
 議論内容等を評価したいが、状況によって、簡単なレポートの提出を求める予定です。
その他(質問・相談方法等)
 後期は、やや視点を変えて、判例を紹介し、その基礎にある理念を帰納的に探ることを考えています。
 ただし、通年で受講する必要はなく、それぞれ完結したものにしたいと思います。
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