法学・政治学における論文の書き方

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
法学・政治学における論文の書き方
標準年次
研・専
講義題目
法学・政治学における論文の書き方
開講学期
前期
担当教員
大谷彬矩、 徳永元、 李鐘成 Ohtani A., Tokunaga H., Lee J.
単位数
2単位
教  室
2研
科目区分
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Law & Political Science Thesis Writing
Course Overview
Law & Political Science Thesis Writing
履修条件
 法学府に在籍する外国人留学生(修士課程)を対象とする。この講義では、単位は出ない(単位数欄に2単位とあるが、単位は0単位)が、合格しなければ、修士論文を提出できないことに注意すること。
授業の目的
 この授業科目では、法学・政治学の分野において日本語論文を書く基礎的な能力の獲得を目標とする。
 そこで、具体的には次のことを目標とする。
A.日本語で学術論文を執筆するための作法およびルールに関する知識・理解を修得する。
B.先行研究を批判し、オリジナリティーを有する学術論文を執筆する専門的技能を修得する。
C.学術論文を執筆する上での日本語を扱う汎用的技能を修得する。
D.研究生活を送る際に必要となる研究発表や討論を行うための態度を修得する。
授業の概要・計画
【授業の概要】
 担当教員全員で15回を担当する。上記の目的のために、@研究を進める上で前提となる諸事項を確認しつつ、A先行研究および資料の収集・分析・批判の方法、B日本語論文執筆の方法を学ぶ。必要な場合には、受講者の日本語能力を考慮して、専門用語の確認等を行う。

【授業の計画】
 基本的には、杜崎群傑・西英昭『中国人留学生のための法学・政治学論文の書き方』(中国書店、2015)に準拠して授業を進める。受講者数にもよるが、予定は以下のとおり。
 ・第1回:ガイダンス、自己紹介
 ・第2回:第1章 大学院生にあるべき生活習慣と勉強法 実践編
 ・第3回〜第4回:第2章 テーマの設定――学術論文とは何か
 ・第5回〜第7回:第3章 先行研究の収集・分析・批判
 ・第8回〜第9回:第4章 資料の収集・分析・批判
 ・第10回〜第12回:第5章 論文の構成と各章の位置づけ
 ・第13回〜第15回:第6章 剽窃をしないために・オリジナリティーの発見のために
授業の進め方
 授業は演習形式で行う。各章最初の回(第2回、第3回、第5回、第8回、第10回、第13回)は、受講者が各章の内容を要約し、報告する。そして、該当する章の内容について、受講者の考えや指導教員からの指示を確認する。最後に、各章の内容に関連して、その次の回以降に受講者が報告する題材を設定する。この題材については、受講者数や日本語能力、研究分野やその進展状況に従って対応する。
 この各章最初の回以降は、指定された題材について受講者が報告を行い、続いて質疑を行う。この質疑の中で、該当する各章の内容の理解を具体的に確認する。受講者に報告を求める題材としては、たとえば以下のものを予定している。
 ・第2章:「なぜ受講者はその研究テーマを選んだのか」
 ・第3章:「受講者の研究領域における代表的な先行研究を紹介せよ」
 ・第6章:「受講者の研究領域における文献の引用方法を説明せよ」
 なお、研究の進め方や論文執筆の方法については、指導教員の考えを事前に確認するように指示することがある。また、毎回の講義では講義中に受講者に課題を与えて、実際に文章の作成をしてもらうことがある。提出された課題やレポートについては、添削を行うので、講義中に添削箇所についても解説を行う。
学期末に小論文(5,000〜10,000字程度)を皆さんに課し、最終的に論文を書けるようになったかどうかを確認する。

教科書・参考書等
 教科書として、
 ・杜崎群傑・西英昭『中国人留学生のための法学・政治学論文の書き方』(中国書店、2015)。
 参考図書については教科書内に言及がある。その他の手ごろなものとして、
 ・澤田昭夫『論文の書き方』(講談社、1977)
 ・東郷雄二『[新版]文科系必修研究生活術』(筑摩書房、2009)
 ・岡崎匡史『文系 大学院生サバイバル』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2013年)。
 また、日本語の論文での表現方法について、
・石黒圭『この1冊できちんと書ける!論文・レポートの基本』(日本実業出版社、2012年)。
成績評価の方法・基準
 授業目的に掲げた、論文作成のための作法やルール・技能を身に着けているかを、授業中に要求した課題・報告・小論文を通して総合的に合格・不合格を評価する。
その他(質問・相談方法等)
 研究生活上の相談などは、随時受け付ける。授業の前後や研究室在室中に相談すること。