現代法理論特講第二

最終更新日:2019年3月13日

授業科目名
現代法理論特講第二
標準年次
研・専
講義題目
現代法理論の最前線
開講学期
前期
担当教員
江口 厚仁(EGUCHI A.)
単位数
2単位
教  室
研究室
科目区分
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Contemporary Legal Theory, Advanced Lecture U
Course Overview
Contemporary trends in Social/Legal Theory.
Reading English/Japanese text and working out its implications for the modern legal system.
履修条件
特にありません。
基礎法学系科目ですが他専攻の方も自由にご参加いただいてかまいません。

ただし、講義題目にあるとおり、実定法解釈学以外の学際的な社会理論/社会哲学/社会科学方法論等に関する文献を読んでいくことになりますので、これらの領域にかんする基本的な知識(少なくとも問題関心)をある程度は備えていることが望まれます。
なお、個別的質問に回答する場合を除いて、いわゆる「入門的解説講義」を逐一行うことはいたしませんので、この点についてはご留意下さい。理解に資する参考文献等は、その都度、必要に応じて指示します。
授業の目的
いわゆる「公共哲学/現代正義論」について、参加者各位の問題関心に沿う形で検討していきたいと考えています。公共哲学には様々なアプローチが存在しますが、法学/政治学各分野でのこれまでの議論状況をふまえつつ、社会学や経済学の知見も加味して現代正義論の新たな切り口を発見していくこと、を目指します。そうした意味で、本科目は授業と言うより、参加者各位の専門研究にふくらみを持たせるための「共同研究会」に近いものとお考えいただければ宜しいでしょう。

修士過程は、ご自身のテーマを学術的に掘り下げていくための基盤を培う期間となります。そのためには「専門特化」したテクストと切り結ぶための知的基礎体力が求められるのは当然ですが、それと同時に、ご自身の研究の「立ち位置」を学際的な視野に立って反省してみること(各専攻固有の思考モードを、とりあえず一度は相対化してみること)も大切です。本演習は、専攻分野を超えた院生たちが、自由闊達な議論をするための対話空間として設定されていますので、幅広い視野に立った物の見方をトレーニングする場として活用していただければと思います。
授業の概要・計画
授業テーマに関連する邦文/英文の文献講読を基本とします。

昨年度は、受講者の要望に応える形で、「グローバル正義」に関連するテクストを読む展開になりました。この作業を通じて、これまでの多様なグローバル正義にかんする構想の強みと弱みを、ある程度整理できたと思います。今年度も、代替案への強い要望がなければ、この方向性を継続したいと考えています。

なお、引き続き講読テクストの選択にあたっては、「古典」とされるものから「最先端」とされるものまで何でもOKですので、自由にご提案いただければと思います。ご自身の研究テーマとの関係を意識しつつも、他専攻の院生さんと議論する機会として有効に活用してください。
授業の進め方
参加者による合議の上、適宜、講読テクストを選定し、輪番で読み進めていく「読書会形式の演習授業」を基本とします。
研究会方式の報告/質疑応答/自由討議が中心ですが、参加者各位はその都度、ご自身の研究テーマに引きつけた議論を自由に展開していただいて構いません(むしろそれを歓迎します)。
また、不定期に、ご自身の執筆予定の「論文構想発表」の場として活用していただいても構いませんので、希望者は必要に応じてお申し出ください。スケジュールは自在に調整可能です。
教科書・参考書等
参加者の合議により決定します。
ご自分で講読/報告したい候補文献(著書/論文)をあらかじめお考えいただき、自己申告方式で読み進めていきます。学期の最初に取り組むテキストも、学期当初に参加者の合議によって決定したいと思いますので、候補を準備しておいていただけると助かります。
たとえば一案として、デヴィッド・ハーヴェイ『コスモポリタニズム』(2009=2013,作品社)は、「地理学的批判理論」の立場から他の方法論を批判するテキストの前半部分は、非常に面白い読み物になっています(後半部分はいささか「竜頭蛇尾」の印象もぬぐえませんが…)。
成績評価の方法・基準
平素の成績(報告頻度と密度、議論への貢献度)によります。
その他(質問・相談方法等)
適宜応じます。