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教育内容・方法

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シラバス

科目名
  • 授業科目名知的財産の実務
  • 授業科目名(英語)Legal Practice in Business
  • 標準学年2・3年次
  • 必修・選択の区別選択
  • 単位数2単位
教員名 寺本 振透 ( TERAMOTO Shinto )
時限 土 , III ( 13:00~14:30 )
授業の目的 あなたのビジネスを推進する強力な道具として法およびその他のルールを使いこなす方法を習得する。
履修条件 なし
到達目標 カリキュラムマップ、到達目標科目対応表及び学修ロードマップを参照のこと。
授業の概要 このクラスは、どのようにしてルールが成立し私たちを拘束できるようになるのかを議論することからはじめます。そして、特許、著作権、商標、営業秘密等に関する法的な紛争の実例を使って、商業活動に対してルールがどのように適用されているのかについて議論します。さらに、企業が、弁護士や弁理士を巧く活用する方法を学びます。
授業の概要(英語) This class starts from a discussion on how rules are established and become enforceable. A discussion on how rules can be applied to our commercial activities based on cases of legal disputes concerning patents, copyrights, trademarks, trade secrets, etc. will follow. Also, this class will discuss how businesses can make the best use of attorneys and patent attorneys.
授業計画 第1回
(講義テーマ)
ルールとは何か?立証責任とは何か?
(講義のねらい)
ルールを守ること、および、守らせることが正当化される理由を学ぶ。
また、ルールを変えるための手続を学ぶ。
さらに、ルールを使って戦うための手続を学ぶ。
(ディスカッション・ポイント)
守ることが義務付けられるルールと、そうでない「ルールのように見えるもの」の違いは何か?
ルールを変えることは、どうすれば、正当化されるのか?
ルールを変えるための議論をするために、法律家をどのように活用するか?
なぜ、全知全能とはほど遠い人間が裁判を行うことができるのか?
(参考文献等)
スライド資料を提供する。
第2回 第1回の続き
第3回
(講義テーマ)
組織の運用におけるルールの適用、執行および変更。
(講義のねらい)
現実の組織において、どのようにしてルールが適用され、執行され、変更されるかを、物語を利用して学ぶ。
(ディスカッション・ポイント)
第1回のポイントを物語に即して具体的に議論する。
(参考文献等)
ミシェル・ヌードセン、ケビン・ホークス(福本友美子 訳)『としょかんライオン』(2007、岩崎書店)を貸与する。
第4回 第3回の続き
第5回 (講義テーマ)
法律の構造を知り、法律を使って戦う。
(講義のねらい)
著作権法を使って競合製品を市場から追い出そうとする試みを素材として、法律の構造を学び、法律を使って戦う方法を学ぶ。
(ディスカッション・ポイント)
請求の趣旨とは何か?
請求原因事実とは何か?
証拠はどのように機能するのか?
(参考文献等)
スライド資料を提供する。
第6回 第5回の続き
第7回
(講義テーマ)
行政庁との交渉。
(講義のねらい)
政治的な要素抜きで、純粋に、企業と行政庁との交渉を観察できる特許出願手続を素材として、行政庁との交渉の仕組みを学ぶ。
(ディスカッション・ポイント)
行政庁の役割とは?
司法は、行政に対して、どのように介入するのか?
(参考文献等)
スライド資料を提供する。
第8回 第7回の続き
第9回
(講義テーマ)
明文化されていないルールがなぜできあがり、受け入れられるのかを知る。
(講義のねらい)
「特許権の消尽」という、条文がないにもかかわらず、業界では受け入れられているルールを素材に、その由来と使い方を学ぶ。
(ディスカッション・ポイント)
明文化されていないルールは、明文のルールから引き出すことができるか?
明文化されていないルールも、変更することができるか?
(参考文献等)
スライド資料を提供する。
第10回 第9回の続き
第11回
(講義テーマ)
ブランド価値の確保。
(講義のねらい)
商品の名前、特徴的なパッケージ、特徴的なデザインなどをつかってブランド価値を確保する方法を学ぶ。
(ディスカッション・ポイント)
あなたなら、どのようなビジネスを起業し、どのようなブランド価値を確保したいか?また、そのためには、どのような名前、パッケージ、デザイン等を用意したいか?
(参考文献等)
スライド資料を提供する。
第12回 第11回の続き
第13回
(講義テーマ)
ベンチャーに対するファイナンス。
(講義のねらい)
資金供給者および資金需要者であるベンチャー双方の立場から、ファイナンスを理解する。
(ディスカッション・ポイント)
あなたなら、どのようなビジネスを起業し、どのような目的に用いる資金を、どのようなファイナンサーから調達したいか?また、どのようにして、ファイナンサーに対して、あなたのビジネスのリスクを開示するのか?
(参考文献等)
スライド資料を提供する。
第14回
(講義テーマ)
起業のために法律家を利用する。
(講義のねらい)
あなたの起業プランを弁護士に説明し、弁護士から支援を受けるための、スライド資料(5ページ以内)を準備してみましょう。
この資料の提出をもって、Take-home exam の回答とします。
(ディスカッション・ポイント)
弁護士の役割は、あなたのビジネスに伴う法的なリスクを予想し、リスクを回避するか、リスクの度合いを緩和するか、リスクの源泉と戦うかを、あなたが決断することを支援し、また、決断の結果の実行を支援することです。弁護士がリスク・アセスメントをしやすいように、情報提供の準備をしてみましょう。
(参考文献等)
該当なし
第15回 第14回の続き
授業の進め方 このクラスでは、教員と学生、あるいは学生同士の対話およびワークショップを通じて授業をすすめます。
教科書及び参考図書等 総務省の法令データ提供システム(http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi)と、裁判所の裁判例情報提供メニュー(http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1)にアクセスして閲覧できる環境(PC、タブレット、スマートフォン等)を携帯することをおすすめします。
試験・成績評価等 期末試験を行なう。毎回のクラスにおけるスキルとナレッジの獲得の度合を30%、期末試験を70%として成績を評価します。
事前学習 ・あらかじめ、Kyushu University e-Learning System (https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/)にレジュメをアップロードしておく。マニュアルは、(http://lac.kyushu-u.ac.jp/m2b/index.html)にある。
・レジュメとそこで引用されている裁判例を読んでから授業に臨むことをおすすめする。教科
書は、種々の情報を便利に引き出すためのツールとして利用せよ。「基本書を精読して暗記
する」ような学習は無益である。
課題レポート等 「試験・成績評価等」の項目のとおり。
オフィスアワー 授業がある日(原則として土曜日)の午後2:50から午後3:50までをオフィスアワーとする(伊都キャンパス、教員の執務室)。
その他 QBS(九州大学大学院 経済学府 産業マネジメント専攻 九州大学ビジネス・スクール)の科目を兼ねる。
九州大学法科大学院弁護士等リカレント・プログラムの対象科目である。
参加者には、ビジネスおよび法務の実務家とのネットワーキングを深めることによる学びの深化が期待されている。