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教育内容・方法

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シラバス

科目名
  • 授業科目名企業法務の基礎
  • 授業科目名(英語)Business Law Basics
  • 標準学年2・3
  • 必修・選択の区別選択
  • 単位数2単位
教員名 寺本 振透 ( TERAMOTO Shinto )
川﨑 邦宏 ( KAWASAKI Kunihiro )
時限 土 , III ( 13:00~14:30 )
土 , IV ( 14:50~16:20 )
※7/12のみ3,4,5限で行います。具体的な日程については、授業計画を参照してください。
授業の目的 アントレプレナーが知るべき法務を、法律実務家のクライアントである、アントレプレナーの立場で、学び、クライアントに対する法的支援のスキルを身につける。
履修条件 特に定めない。
到達目標 授業の目的欄または授業の概要欄において示された能力を修得すること
授業の概要 企業におけるルールの成立と運用を知ったうえで、起業から企業運営に関わる法務を学ぶ。
授業の概要(英語) This class starts from a discussion on how rules are established and become enforceable. Then, the students will learn the legal practice of start-up to operation of business.
授業計画 ■第1回~2回目(4/12(土), 3~4限)
「 組織の運用におけるルールの適用、執行、および変更」
◉講義のねらい:
現実の組織において、どのようにしてルールが適用され、執行され、変更されるかを、物語を利用して学ぶ。
◉ディスカッション・ポイント:
組織内でルールが宣言され、適用され、執行され、変更される場面を発見する。
◉参考文献等:
ミシェル・ヌードセン、ケビン・ホークス(福本友美子 訳) 『としょかんライオン』 (2007、岩崎書店)。
たいへん参考になる図書ですので、入手されることをおすすめします。当日、教室で貸与できるものも、若干、用意することができます。

■第3回~4回目(4/26(土), 3~4限)
「ファイナンス・会社法を理解するための基礎理論」
◉講義のねらい:
ファイナンス・会社法を理解するための、基礎理論について法と経済学を参照しつつ学習します。その際、有限責任、DebtとEquity、議決権、強制開示といったファイナンス・会社法を理解する上で重要な事項を取り上げます。この授業の内容は、その後の授業をより深く理解するために重要な基礎理論となります。
◉ディスカッション・ポイント:
有限責任とは何でしょうか。また、世界的にみても有限責任形態の会社が一般化しているのは、なぜでしょうか。
・DebtとEquityにはどのような相違点があるでしょうか。
・議決権はなぜ株主(Equity holder)に与えられているのでしょうか。
・会社は法律で会計情報等の開示が強制されていますが、それはなぜでしょうか。
◉参考文献等:スライド資料を提供します。

■第5回~6回目(5/17(土), 3~4限)
「裁判所におけるルールの適用」
◉講義のねらい:
所有権に関わる紛争を取り扱った裁判の判決書を読解することにより、ルールから要件を抽出する手順、要件にあてはまる事実の発見の仕方を学びます。とりわけ、ルールについての抽象的な解説が一応の参考にしか使われず、ルールが実際に適用された裁判例を多く観察することを法律実務家が重視する理由を知っておきましょう。
◉ディスカッション・ポイント:
どのような手順によって、法律の条文から要件事実を抽出するか?
判決書は、どのような構造を有するか?
紛争の当事者は何を議論するのか?
◉参考文献等:判決書、関連する条文等を提供します。

■第7回~8回目(5/31(土), 3~4限)
「判決から学ぶ企業の運用」
◉講義のねらい:
報道により信用、名誉等が毀損されたと主張された案件を取り扱った裁判の判決書を読解することにより、裁判例から事業運営に対する教訓を得る方法を学びます。また、訴訟代理人の主張および判決書の文書構造から、事実と評価を区別する方法と、事実と評価の区別を曖昧にする手法に圧倒されないようにする方法を、学びます。
◉ディスカッション・ポイント:
どのような報道やポストが、紛争の原因となりやすいか?
事実と評価の区別を曖昧にする手法は、どのような主体によって利用されるのか?
事実と評価を区別する作文の手法はどのようなものか?
◉参考文献等:判決書、関連する条文等を提供します。

■第9回~10回目(6/14(土), 3~4限)
「ガバナンスの難しさ」
◉講義のねらい:
しばしば、その重要性が強調されるものの、ガバナンスとはなにかと問われて答えることは、容易ではありません。経営陣が難しい決断を迫られた最近の例を参照しつつ、どのようにして、より良い(あるいは、より悪くない)ガバナンスを行うための努力を試みます。
◉ディスカッション・ポイント:
ガバナンスとコンプライアンスとはどのような関係にあるのか?
ネガティブな情報への対応の選択を検討してみよう。
身近なもので、ガバナンス上の問題が疑われるケースを見つけてみよう。
◉参考文献等:関連する資料を提供します。

■第11回~12回目(6/28(土), 3~4限)
「知的財産の活用」
◉講義のねらい:
企業における重要なリソースの一つである知的財産について、権利を確保したり行使したりする試みについて学びます。
◉ディスカッション・ポイント:
特許権を行使するとき、被疑侵害物件と何を比較しますか?
商品やサービスのプロモーションにおいて、商標は、どんな役割を果たしていますか?
商品の特徴を独占しようとする試みには、どのような困難が伴いますか?
◉参考文献等:関連する資料を提供します。

■第13回~15回目(7/12(土), 3~5限)
「起業のために法律家を利用する。」
◉講義のねらい:
あなたの起業プランを弁護士に説明し、弁護士から支援を受けるための、スライド資料(5ページ以内)を準備し、弁護士に対するプレゼンテーションを試みます。
◉ディスカッション・ポイント:
弁護士の役割は、あなたのビジネスに伴う法的なリスクを予想し、リスクを回避するか、リスクの度合いを緩和するか、リスクの源泉と戦うかをあなたが決断することを支援し、また、決断の結果の実行を支援することです。弁護士がリスク・アセスメントをしやすいように、情報提供を行う練習をしてみましょう。
授業の進め方 このクラスでは、教員と学生、あるいは学生同士の対話およびワークショッ
プを通じて授業をすすめます。特に、QBSの学生である社会人と法的な事柄に関する対話を行うことが求められます。
教科書及び参考図書等 随時,webで情報を探索できる環境(PC,タブレット等)を携帯して授業に参加すること。
試験・成績評価等 毎回のクラスにおけるスキルとナレッジの獲得の度合を30%、
最後の3回における起業案の発表を40%、
その後に提出される起業案の改訂版の評価を30%として、
成績評価を行う。
事前学習 ・あらかじめ、授業用のウェブサイト(九州大学 moodle を利用する。https: //moodle.s.kyushu-u.ac.jp/)に資料をアップロードしておく。QBSの科目として表示されるから注意すること。
・資料を読んでから授業に臨むことをおすすめする。
課題レポート等 第13回から第15回までにおいて発表する起業プランを、クラスでの問答を反映するかたちでアップデイトして、提出すること
オフィスアワー 授業がある日の午後16時40分から午後18時10分まで(伊都キャンパス、または、オンライン)
その他 ビジネススクール(QBS)向けに提供する「ビジネス法務」を,法科大学院生も参加可能とするものである。QBSの学生の多くが日本国内外のビジネス・ パーソンであるから,法科大学院生は,彼らの法的サービスへの需要の水準と,法科大学院生の知識およびスキルの水準との間に大きなギャップがあることを知ることができると思われる。