履修条件 |
特になし。 |
授業の目的 |
手形・小切手のもつ経済的機能を理解し、それがどのような法制度として規定され、機能しているかという基本的事項を理解すること。さらに、手形法・小切手法における法解釈上の問題を扱うことで、有価証券法理を理解し、企業金融法制をとりまく現代的な問題について、受講生各自が、法的思考によって考える端緒になる機会としたい。 |
授業の概要・計画 |
この講義では、企業金融として、重要な役割を果たしてきた手形法制度、とりわけ約束手形を中心に検討する。まず、有価証券法理を概観した上で、手形法・小切手法上の主要な問題点を検討することで、特別法としての手形・小切手法がどのような必要性から、一般私法上の法理を修正するのか、それはどのような制度や解釈によってなされているのかを検討する。そして、それらを理解することによって、現代的な金融、決済システムの基礎として、法制度がどのような役割を果たしているのかを概観していく予定である。 主な講義内容は以下のとおりである。各項目は1回ないし数回の講義によって行う予定である。 なお、受講生の状況に応じて進度を調整する。 (1)ガイダンス・手形・小切手の経済的機能 (2)有価証券法理、手形債務の成立時期 (3)手形行為・手形行為と意思表示の欠缼・瑕疵 (4)手形署名・他人による手形行為(1) (5)他人による手形行為(2) (6)変造・白地手形 (7)手形の譲渡方法・裏書 (8)裏書の連続、手形取得者の保護 (9)手形抗弁 (10)特殊の裏書 (11)支払・免責・遡求 (12)手形行為独立の原則 (13)手形保証 (14)時効・手形の書換・利得償還請求権 (15)まとめ
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授業の進め方 |
講義形式による |
教科書・参考書等 |
六法必携 テキスト 田邊光政『最新手形小切手法(5訂版)』(中央経済社、2007)を予定。 参考文献・判例集等 丸山秀平『事例で学ぶ手形法・小切手法(第二版)』(法学書院 2007) 前田庸『手形法・小切手法』(有斐閣 1999) 永井和之『基本論点 商法〔改訂第3版〕』(法学書院 1994) 鈴木竹雄・前田庸補訂『手形法・小切手法(新版)』(有斐閣 1992) 木内宜彦『手形法小切手法(企業法学V)第二版』(勁草書房 1982) 山下友信・神田秀樹編『商法判例集 第3版』(有斐閣 2008) 落合誠一・神田秀樹編『手形小切手判例百選[第六版]』(有斐閣 2004) その他の参考文献は講義中に随時紹介する。
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成績評価の方法・基準 |
講義の目的の観点から、各制度の機能・法制度の趣旨、問題点などの理解の有無などを、試験によって評価する。なお、評価方法の詳細は、初回講義時に確認する。 |
その他(質問・相談方法等) |
講義内容について、予習・復習だけでなく、前提となる民法・商法等関連科目の確認も各自行ってください。疑問点・不明点は、是非、積極的に質問してください。 |
過去の授業評価アンケート |
2009年度後期 |