中国法

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
中国法
標準年次
3・4
講義題目
中国法概論
開講学期
前 期
担当教員
西 英昭
単位数
4単位
教  室
104
科目区分
展開科目
履修条件
 特にありません。講義は日本語で行いますので、中国語はできなくても問題ありません。逆に中国語を母語とされる方で参加を希望される場合は、十分な日本語能力を身につけた上でご参加ください。
授業の目的
 尖閣諸島での漁船衝突事件にせよ、経済規模で世界第二位となった件にせよ、中国についてはとかくイメージ先行で語られることが多いような気がします。このような状況下で皆さんが気をつけるべきことは、中国についてまず「正しく知る」ことです。我々にとって中国を正確に理解することは日に日にその重要性を増しています。他方でその正確な理解がこれほどまでに困難な国もありません。
 また日本ではほとんど取り上げられませんが、今年は中華民国100年にあたります。辛亥革命から丸百年、この百年の歩みは中国・台湾にとって苦難に満ちたものでした。今年はその過程を検証しておくのに相応しい一つの節目とすることができるでしょう。
 今年の講義はこの百年の歩みに目を向け、中華民国(台湾)法と中華人民共和国法、この両方を見てゆくことにしたいと思います。中華民国(台湾)法は日本法と非常に近しい関係にある法制であり、他方中華人民共和国法は日本法とは全く異なる諸前提の下に展開する法制です。いずれも日本にとって非常に密接な関係を有する地域であり、最近ではこの両者の間にも交流が生まれています。この両方を理解しておくことは、皆さんのアジア認識にきっと新たな視点をもたらすものと思われます。
授業の概要・計画
 中華民国(台湾)法、中華人民共和国法について、その主要な法制度について解説を行います。台湾法はともかく、社会体制を全く異にする中華人民共和国法については、その前提である社会主義という言葉が全く身近ではない世代の皆さんにとって、相応の時間をかけて話を聞かなければ全く分からない、というものでもあろうかと思います。
 また現代台湾・中国法についての初歩的なリサーチ方法についても紹介し、初歩的な調査なら独力でできる程度の水準を身につけてもらいます。中国法務に興味のある方にはきっと役立つことでしょう。実務についてもその初歩を確認しておきたいと思います。
 
授業の進め方
 レジュメ・参考資料などは配布します。通常の講義形式をとりますが、参加者の興味関心に応じては一部ゼミ・討論形式も導入します。なお講義の中で数回アンケートをとり、質問や希望を受け付けます。特にこの分野の話を重点的に聞きたいという希望のある方はこのアンケートを通じて、または講義の中で申し出ていただければ、可能な限り応じます。なるべく双方向的な授業を行いたいと思いますので、希望はどしどし出してください。
教科書・参考書等
 教科書として特に指定するものはありませんが、関心のある方のために以下の書籍を掲げておきます(購入しなければならないということではありません。)。これ以外の参考文献については講義の中で適宜紹介します。

 木間正道・鈴木賢・高見澤磨・宇田川幸則『現代中国法入門〔第五版〕』(有斐閣・2009)
 小口彦太・田中信行『現代中国法』(成文堂・2004)
射手矢好雄・石本茂彦『中国ビジネス法必携2009』(ジェトロ・2009)
 
 台湾法に関してはお勧めできる市販の参考書がありませんので、授業を聞き逃さないよう注意してください。
成績評価の方法・基準
 試験により評価します。
その他(質問・相談方法等)
 質問のある方は講義終了後に受け付けます。また研究室を訪ねて下さっても構いませんが、不在の場合もあるので事前に連絡をいただければ幸いです。メールアドレスはh-nishiのあとに@law.kyushu-u.ac.jpです。
過去の授業評価アンケート 2010年度前期