履修条件 |
特にありません。さまざまな法的諸問題を原理的・哲学的に検討することに関心のある学生の参加を歓迎します。 |
授業の目的 |
歴史を学ぶことは同時に「今とこれから」について何らかの見通しを得ることも可能にします。この法思想史の講義でも、古代ギリシア以来の西洋法思想の歴史を辿ることを通して、各時代・各哲学者の法思想が、今日的・将来的な法的諸課題に対して何を示唆しているか、つまり私たちの「今とこれから」にどんなヒントを投げ掛けているかを、共に考察します。その際、過去の法思想の現在性(アクチュアリティ)を検証するため「各思想家の理論や主張にもとづいて今日の具体的な法−倫理的諸問題をどのように分析することができるか?」を考える場面も折々に挿入したいと思っています。 |
授業の概要・計画 |
(1) イントロダクション(講義全体の目的・概要などの説明) (2) 古代の法思想1(古代ギリシア:ソクラテス/プラトン/アリストテレス) (3) 古代の法思想2(古代ローマ) (4) キリスト教と中世法思想(アウグスティヌス/トマス・アクィナス) (5) 近代の法思想(ホッブス/ロック//ルソー) (6) ドイツ観念論の法思想(カント/ヘーゲル/ドイツ近代法思想) (7) 現代の法思想1(マルクス主義) (8) 現代の法思想2(現代ドイツの法思想:ケルゼン/ラートブルフほか) (9) まとめ(法思想の現在的意義)
|
授業の進め方 |
各単元ごとにレジュメを配布し、講述を中心として進めます。なお、特に具体的な現代的課題を検討するようなときには、受講者の皆さんにご意見を求める機会も設けたいと考えていますので、皆さんの積極的なご参加ご発言を願います。 |
教科書・参考書等 |
教科書は特に指定しません。講義全体にかかわる参考図書として、下記のようなものがあります。 三島淑臣『法思想史[新版]』青林書院、1993年 田中成明・竹下賢・深田三徳・亀本洋・平野仁彦『法思想史[第2版]』有斐閣、1997年 中山竜一『二十世紀の法思想』岩波書店、 竹下賢・平野敏彦・角田猛之『トピック法思想──羅針盤としての歴史』法律文化社、2000年 竹下賢・角田猛之・市原靖久・桜井徹『はじめて学ぶ法哲学・法思想』ミネルヴァ書房、2010年 長谷部恭男『法とは何か──法思想史入門』河出書房新社、2011年 ジェ−ムズ・レイチェルズ『現実をみつめる道徳哲学──安楽死からフェミニズムまで』晃洋書房、2003年 ジェ−ムズ・レイチェルズ『倫理学に答えはあるか──ポスト・ヒューマニズムの視点から』世界思想社、2011年
|
成績評価の方法・基準 |
通年開講のため、前期分として夏期休暇明けにレポート(3,000字程度)を提出してもらい、後期は定期試験(論述式)を実施して、双方の合算によって成績評価を行なう予定です。また、講義のなかで不定期に感想を記したミニ・レポートを提出してもらい加点材料とします。 |
その他(質問・相談方法等) |
講義に関する質問等は、授業の前後のほか、メールでも受け付けますので、お気軽にお問い合わせください。吉岡アドレス:yoshiota(アットマーク)cc.saga-u.ac.jp(メールには、ご自身のお名前と学籍番号を明記してください)。 ※(アットマーク)には@を入れて下さい。また@前部分のローマ字読みは「ヨシオ<タ>」です。
|
過去の授業評価アンケート |
2011年度後期 |