履修条件 |
演習開始前の予習等は特にありません。 ただし,開講後1か月程度で受講生が民法及び刑法の基本書を通読することを前提として演習を進めていく予定です。したがって,勉強をすること自体(基本書通読は当然の前提として,ゼミで取り扱う参考判例や参考論文等を自ら収集して読むこと)が苦ではない者が望ましいと思います。
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授業の目的 |
●法政基礎演習の共通目標 この授業科目は,少人数のゼミ形式により,2年後期から本格的に始まるより高度な学習へ向けての橋渡しの教育を行う目的で開講されるものです。具体的には,@リサーチ・分析能力,Aディスカッション・プレゼンテーション能力,Bレポート・論文作成能力,という,将来どのような進路をとっても必ず要求される能力の習得及び伸張を目指します。
●本ゼミでの目標 本ゼミでは,さまざまな具体的な事例等を通じて,法律の世界においては,数学のようにいつも答えがあるわけではないことを学んでもらいたいと考えています。また,具体的な事例等を通して法律学自体に興味を持ってもらい,2年次後期以降本格的に始まる法律専門科目の講義に向けての準備期間として,十分に勉強してもらいたいと思っています。 また,本ゼミは,専らゼミ形式を想定していることから,受講生がこのゼミの履修を通じ, ・判例を検索し,あるいは文献を調査する能力(法学部における情報収集能力,上記@に該当) ・判例・文献等を要約し,端的にレジュメとしてまとめあげる能力(法学部における起案能力,上記ABに該当) ・レジュメとしてまとめたものをゼミ生及び教員に対して説明する能力(法学部におけるプレゼンテーション能力,上記Aに該当) ・毎回のゼミの報告内容を的確に理解し,事案の問題点を踏まえた上で自分の意見や考え方を相手に伝える能力(法学部におけるディスカッション能力,上記Aに該当) ・フィールドワーク等に際して他の者と強調して行動する能力(集団行動能力)
の習得及び伸張を目指します。 加えて,本ゼミは法律実務家の教員が担当するゼミであることから,できるだけ法曹三者(裁判官,検察官及び弁護士)との接点を設け,法曹三者の仕事内容や楽しさなどを知ってもらえれば,と思っています。
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授業の概要・計画 |
第1回 オリエンテーション 第2回 民事手続及び刑事手続の概要(主として講義形式を予定) 第3回 民法 不倫をした者からの離婚請求を認めるべきか? 最判昭和27・2・19民集6巻2号110頁 最大判昭和62・9・2民集41巻6号1423頁等を素材として −離婚原因をつくった者からの離婚請求− 第4回 刑法 殺意とは何か? 横浜地判平成10・4・16判タ985・300を素材として −人に包丁を投げると殺人か− 第5回 民法 子の氏名は親の自由につけられるか? 東京家審八王子支部平成6・1・31判タ844・75を素材として −「悪魔」ちゃん命名事件− 第6回 刑法 刑法における詐欺罪の本質を見極める 最判平成26・3・28,最決平成26・3・28等を素材として −暴力団員であることを秘してゴルフをすると詐欺罪か− 第7回 民法・知的財産法(商標法) 実は知的財産って簡単に侵害してしまう? 大阪地判平成26・6・30判タ1355・184等を素材として −モンシュシュ事件− 第8回 刑法・刑事訴訟法 映画鑑賞 「十二人の怒れる男」(1954年,アメリカ)鑑賞 第9回 民法 交通事故と損害賠償を考える 裁判例検討中 −人の命をお金に換算するという困難さ− 第10回 刑事訴訟法 被疑者の身体拘束からの早期解放を目指す 裁判例なし(私が手掛けた事件を参考にオリジナル事例を与える予定です) −弁護士と検察官が法廷外で火花を散らす時−
第11回目以降については,受講者と相談の上,決定する予定です。なお,都合が合えば,私や私の所属している法律事務所の他の弁護士の事件の期日に法廷傍聴に来てもらったり,比較的長い証人尋問が行われる事件の法廷傍聴に来てもらうことを企画しています(その意味で,上記日程はあくまでも予定であり,適宜変更される可能性があることに留意してください)。さらに,現在交渉中ですが,現役裁判官や現役検察官の方と話す機会を設けます(これについては,講義自体ではなく,懇親会に来ていただくという形になるかもしれません)。 ちなみに,昨年は,民事事件の法廷傍聴を3グループに分けて実施し,裁判官室(裁判官が職務を行う部屋)の見学をしたり,裁判官との懇親会を行いました(感想等は適宜新3年生に聞いてください。)。
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授業の進め方 |
第1回目はオリエンテーション,第2回目は講義形式の法学入門という形にします。 第3回目以降については,各回に扱う題材を選定し,数人単位で報告担当グループを作ってもらい,その題材について30〜40分程度で報告をしてもらった後,受講生全員で討議等をしていく予定です。報告担当者には報告準備をしてもらいますが,それ以外の受講生についても何かしらの課題を出すことを考えています。
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教科書・参考書等 |
【民事法】 特に教科書は指定しません。 むしろ,他の専門科目(民法Tないし民法V,民法4)に合わせて, 内田貴『民法T〔第4版〕』(東京大学出版会,2008年) 内田貴『民法U〔第3版〕』(東京大学出版会,2011年) 内田貴『民法V〔第3版〕』(東京大学出版会,2005年) 内田貴『民法W〔補訂版〕』(東京大学出版会,2004年) を購入し,前期の間で扱う分野について通読するようにしてください。なお,内田貴先生の民法Wは,10年前の本で少し古いということもありますので,前田・本山・浦野編『LEAGAL QUEST民法Y〔第2版〕』(有斐閣,2012年)のほうがいいかもしれません。
【刑事法】 特に教科書は指定しません。今後,刑法や刑事訴訟法の講義を履修予定の方は,そちらのシラバスに掲載されている基本書や参考書を通読すればいいと思います。 そのほか,各回の参考文献等については別途指示を出す予定です。
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成績評価の方法・基準 |
期末試験は実施しません。毎回の授業態度,発言回数,プレゼンテーションの内容等,授業態度を総合して判断します。ただし,本ゼミが法学部開講ゼミであることに鑑み,主として情報収集能力,レジュメ起案能力,プレゼンテーション能力の3点を重視して成績評価を行う予定です。 なお,成績評価については,第1回目のオリエンテーション等で別途指示説明をすることもあります(例えば受講生が論文を書く力を伸ばしたいという意見であれば,論述式の試験を取り入れることもありえます)。
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その他(質問・相談方法等) |
法政基礎演習としてゼミを受け持つことは2年目ですが,不慣れな点も多数あるかと思いますので,本演習を通じて受講生の皆さんと一緒に色々なことを考えていけたらと思います。
【科目コード:LAW-LAW1911J】
※注意 4月14日(火)の授業は休講とします。そのため本演習については、4月21日(火)が初回となりますので注意してください。 |
過去の授業評価アンケート |
2014年度前期 |