法は文化の一部であり、法典は全体として一つのまとまりを持ったテクストですから、外国法典の個々の規定を取り出して日本と比較しても、何の役にもたちません。日本法の独自性、特色を精確に理解するためには、まず、比較の対象たる外国法(本講義では、フランス民法およびドイツ民法)それ自体を一定の包括性をもって認識し、その後に、外国法の目で日本法を観察する必要があります。
そこで、この講義では、具体的なテーマごとにフランス民法およびドイツ民法の内容を解説し、日本法と比較するという手法を採りたいと思います。
現在のところ、以下のようなテーマを扱う予定です。
1.所有権の移転 2.契約の成立、解釈、効力 3.損害賠償 4.不法行為 5.売主の瑕疵担保責任 6.保証 7.抵当権 8.家族 9.相続
より詳細な講義計画は、授業の進行を通じて適宜示します。 |