シラバス
科目名 |
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教員名 | 田中 教雄 ( TANAKA Norio ) |
時限 | 水 , II ( 10:30~12:00 ) |
授業の目的 |
民法総則と物権のうち担保物権を除く部分に関する事例を分析し法的に構成する能力(具体的な事実から法的に意味のあるものを拾い上げ、法的な請求として主張できるようにする能力)の獲得を目的とします。 |
履修条件 |
家族法を含む民法及び民事訴訟法の基礎的な知識を習得していることを前提とします。 |
到達目標 |
カリキュラムマップ、到達目標科目対応表及び学修ロードマップを参照のこと。 |
授業の概要 |
まず、導入部分として、民法による法的判断の仕方、事例の検討の仕方を説明します。その後に、民法総則と物権のうち担保物権を除く部分に関する重要判例を素材として、現行民法に関する知識を確認しながら、判例が前提としている事例を分析し検討します。 |
授業の概要(英語) |
1. Introduction 2. Analysis of Supreme Court decisions: General Provisions 3. Analysis of Supreme Court decisions: Law on Real Rights |
授業計画 |
第1回 はじめに、請求権を中心とした判断について(1)+理解度確認テスト 第2回 請求権を中心とした判断について(2)+理解度確認テスト 第3回 後見人の追認拒絶(最判平成6・9・13) 第4回 民法94条2項・110条の類推適用(最判平成18・2・23) 第5回 動機(法律行為の基礎とした事情)についての錯誤(最判平成28・1・12) 第6回 無権代理人の本人相続(最判平成5・1・21) 第7回 無権利者を委託者とする販売委託契約の所有者による追認の効果(最判平成23・10・18) 第8回 時効の援用権者(最判平成11・10・21) 第9回 土地賃借権の時効取得と抵当不動産の買受人への対抗(最判平成23・1・21) 第10回 抵当権の設定と再度の時効取得(最判平成24・3・16) 第11回 時効完成後の譲受人(最判平成18・1・17)、登記のない通行地役権と承役地の譲受人(最判平成10・2・13) 第12回 相続と民法185条にいう「新たな権原」(最判平成8・11・12) 第13回 民法194条に該当する善意占有者の使用収益権(最判平成12・6・27) 第14回 分筆後の残余地の特定承継と袋地所有者の通行権(最判平成2・11・20) 第15回 物権的請求権の相手方(最判平成6・2・8) ※レポート課題により、授業期間中、各受講生につき、2回の添削指導を行います。 |
授業の進め方 | 導入部分(第1回・第2回)を除き、事例の分析・検討(第3回以降第15回まで)は、質疑応答形式で行います。 |
教科書及び参考図書等 |
(教科書) 別冊ジュリスト『民法判例百選Ⅰ〔第9版〕』(有斐閣) (参考書) 『Law Practice 民法Ⅰ 総則・物権編〔第5版〕』(商事法務) |
試験・成績評価等 | 12回以上出席した者について、理解度確認テスト(10%)、レポート(40%)、期末試験(50%)によって得られた成績を基礎にして、水準に達していると判断した者について相対評価を行います。欠席、遅刻、途中退席等は減点の対象となることがあります。 |
事前学習 |
授業で取り上げる判例について、教科書に掲載されている「事実の概要」「判旨」を前提に、「事件の時間的経過」「関係者の法律関係」「当事者の主張」「裁判所の判断」についてまとめるとともに、関連する条文・法制度についての知識を確認しておいてください。 「関係者の法律関係」については、一部の受講者に事前に割り当てますので、担当回の前日までにMoodleにある共有文書(OneDriveを使用)に「関係者の図」を記載してください。当日は、「関係者の図」を基に、「事件の時間的経過」「関係者の法律関係」について、説明してもらいます。 授業で取り上げる判例に関連する条文・法制度についての小テスト(成績には関係しません)をMoodleで公開するので、必要に応じて条文・判例等を示して説明できるように準備してください。 |
課題レポート等 |
事前学習の一部をレポートとして2回提出していただきます。 |
オフィスアワー |
授業終了後(30分程度、予約不要)及び月曜日14時00分~15時30分(伊都キャンパスのため、Zoom等でも対応しますが、事前にメールで連絡してください)。 なお、授業に関する質問はMoodleで随時受け付けます。 |
その他 |
Moodleを利用します。https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/ から、ブロックドロワ(右の"<"部分)にある「M2Bシステム使用方法」等を参考にして、コースの登録をしてください。授業を検索する際は、「応用民法」で検索してみてください。 |