カリキュラム・ポリシー
- 教育課程の編成・実施の方針
-
ディプロマ・ポリシーを達成するために,カリキュラムマップの通り,教育課程を編成する。
1年次に配当される法律基本科目(基礎憲法Ⅰ・Ⅱ,基礎民法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ,家族法,基礎行政法,基礎刑法Ⅰ・Ⅱ,基礎民事訴訟法Ⅰ・Ⅱ,基礎刑事訴訟法Ⅰ・Ⅱ,基礎商法Ⅰ・Ⅱ)を通じて,法曹となろうとする者に共通して必要とされる専門的学識(以下「専門的な法律知識その他の学識」をいう。以下において同じ。)を涵養する(カリキュラムマップA-1〈以下,同じ〉)。授業は,講義形式を中心としつつ双方向形式を取り入れて行われる。これらの科目では,小テストや中間試験での評価に加え,論述問題や記述式問題の定期試験を用いるほか,その科目の特性に応じ,シラバスに記載した方法で上記の能力が評価される。
また,2年次に配当される法律基本科目の応用科目(応用憲法Ⅰ・Ⅱ,応用行政法Ⅰ・Ⅱ,応用民法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ,応用刑法Ⅰ・Ⅱ,応用商法Ⅰ・Ⅱ,応用民事訴訟法,応用刑事訴訟法)などを通じて,法律基本科目の専門的学識の応用能力(法的な推論,分析,構成及び論述の能力をいう。以下において同じ。) を涵養する(A-2)。授業は,双方向又は多方向で行われ,事例問題のレポートや中間試験を実施するとともに,事例問題を中心とした論述問題の定期試験を用いるほか,その科目の特性に応じ,シラバスに記載した方法で,上記の諸能力が評価される。
その上で,3年次配当の総合演習科目(公法総合演習,民事法総合演習,刑事法総合演習)を通じて,法律基本科目の専門的学識の応用能力を涵養するとともに(A-3),2年次・3年次に配当される法律実務必修科目(民事裁判実務,刑事訴訟実務,実務総合演習Ⅰ・Ⅱ,要件事実論,法曹倫理)を通じて,①法的な推論,分析及び構成に基づいて弁論をする能力,②法律に関する実務の基礎的素養のほか,③専門的学識及びその応用能力の基盤の上に涵養すべき将来の法曹としての実務に必要な学識及び能力並びに素養(以下①②③をあわせて「実務に必要な学識等」という。)の修得をはかる(A-4)。これらの授業科目では,事例問題を中心とした論述問題の定期試験を用いるほか,その科目の特性に応じ,シラバスに記載した方法で,上記の諸能力が評価される。
さらに,1・2・3年次配当の基礎法学・隣接科目(現代法哲学,法社会学,歴史と法,外国法,紛争解決の心理学,法と政治,行政学)や2年次配当の同科目(外国文献講読Ⅰ独,外国文献講読Ⅱ英)を通じて,基礎法学領域や隣接法学領域の知識を修得し,法の理解の基盤を強化し,または法知識の裾野を拡大する(A-5)。基礎法学・隣接科目では,その科目の特性に応じ,シラバスに記載した方法で成績評価を行う。
また,2年(または3年)次配当の司法試験選択科目の8科目に関する展開・先端科目Ⅰ群(労働と法,労働紛争処理,労働法実務,倒産法,倒産法実務,国際法,国際私法Ⅰ・Ⅱ,税財政と法,知的財産と法,知的財産紛争処理,環境法,経済法,単位互換科目(4LS連携科目))を通じて,法曹となろうとする者に必要とされる専門的な法律の分野に関する専門的学識及びその応用能力を涵養するとともに(A-6),展開・先端科目Ⅱ群(民事執行法・民事保全法,刑事処遇論,少年法,社会保障法,インターネットと法,ジェンダーと法,法律外書講読Ⅰ・Ⅱ,契約実務,国際弁護士実務,紛争管理と調停技法Ⅰ・Ⅱ,単位互換科目(福岡県内4大学連携科目))を通じて,先端的な法領域に関する科目その他の実定法に関する多様な分野の知識や実務を修得する(A-7)。
各科目における教育方法の選択につき,その科目の特性に応じ,メディア授業を実施することが例外的にある。その際、オンライン型メディア授業については,対面と同等の同時性又は即応性を持つ双方向性(対話性)を有し、面接授業に相当する教育効果が担保されるように留意し、オンデマンド型メディア授業については,毎回授業における受講生の理解度の確認,論述能力の涵養のための課題設定や添削,担当教員と受講生の相互の質疑や意見交換の機会の確保など,対面授業に相当する教育効果が担保されるように留意する。また,対面授業の一部の授業時数についてオンライン型またはオンデマンド型の授業を行う場合は,総授業時数の半分以上について対面での授業を実施する。
評価については,シラバスに記載した方法で成績評価を行う。特に司法試験選択科目8科目については,学生の論述能力を評価するため,原則として事例問題を用いた授業や定期試験を用いた評価方法がとられる。なお,一部の科目については,単位互換協定により他の法科大学院から一部の授業科目の提供を受けるが,これらの科目の実施方法および評価は,科目提供大学に委ねられる。
さらに,法曹としての技能及び責任その他の法律実務に関する基礎的な分野について,実務に必要な学識等を修得するために(B-1),エクスターンシップⅠ・Ⅱや模擬裁判,リーガル・クリニック,ロイヤリング・法交渉,実務総合演習Ⅰ・Ⅱなどの法律実務基礎科目群等を配置する。これらの授業科目では,その科目の特性に応じ,シラバスに記載した方法で上記の諸能力が評価される。
また,法的問題を主体的に発見し,その解決に必要となる調査や論証,コミュニケーション等を行う技能を涵養するために(A-1),法情報調査に関する導入教育を行うほか,法律基本科目を中心とする基幹科目で双方向型の少人数教育を実施している。
そして,法律実務家として必須の,人間社会に対する洞察能力や倫理感覚を涵養し,法曹としての技能及び責任その他の法律実務に関する必須の基礎的な実務能力を修得するために(D-1),必修科目たる法曹倫理を配置するほか,実務家教員が担当する上記各科目において,法曹倫理に関する実践的な指導を行う。法曹倫理の科目の特性に応じ,シラバスに記載した方法で成績評価を行う。
※4LS連携科目:金沢大学大学院法学研究科法務専攻,九州大学大学院法務学府実務法学専攻,千葉大学大学院専門法務研究科および筑波大学大学院人文社会ビジネス科学学術院法曹専攻間連携に関する単位互換協定に基づく単位互換科目
※福岡県内4大学連携科目:福岡県内4法科大学院及び福岡県弁護士会の間の教育連携に関する協定に基づく単位互換科目
- 継続的なカリキュラム見直しの仕組み(内部質保証)
-
(1) カリキュラム区分と見直し
カリキュラムは,2つの段階に区分して整理する。第1段階(1年次)は,基礎的な法学の知識・思考方法を修得する「導入・基礎期」,第2段階(2年次・3年次)は,法学の発展的な知識・理解およびその総合的な活用力を修得する「発展・統合期」である。
当該時期において焦点化した知識・能力の達成度は,それぞれの時期の終盤ないし終了後に,以下の方針(アセスメント・プラン)に基づいて評価し,その結果に基づいて,授業科目の教授方法を教務委員会および運営委員会において随時検証し,FDにおいて認識の共有を図る体制を確立することで,教学マネジメントを推進する。
(2) アセスメント・プラン
・「導入・基礎期」の評価:1年次の学修が終了した時点で,1年次に配当された法律基本科目の修得の達成度を確認する「共通到達度確認試験」(法科大学院協会主催,1年次生は全員受験)の受験結果に基づき,必要に応じて1年次配当のカリキュラムの適切さについて検証する。
・「発展・統合期」の評価:間もなく司法試験の3年次在学中の受験が認められるが,専門職大学院たる法科大学院における法学の発展的な知識・理解の修得やその活用能力の評価は,端的にはこの司法試験によって測られる。