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教育内容・方法

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シラバス

科目名
  • 授業科目名少年法
  • 授業科目名(英語)Juvenile Law
  • 標準学年2・3年次
  • 必修・選択の区別選択
  • 単位数2
教員名 武内 謙治 ( TAKEUCH Kenji )
時限 金 , I ( 08:40~10:10 )
授業の目的  少年事件は、刑事司法制度とは独立した少年司法制度で扱われる。医学の領域に小児科や児童精神科が存在しているのと同じ理由で、犯罪や非行と関係する子どもの問題の扱い方には特別に注意すべきことがある。この授業の目的は、少年事件に法的に対応する際に求められる基礎的な知識と制度理解、思考方法を修得することである。
 この授業では、法曹実務家として、少年非行や少年司法の問題に接する際に必要となり、刑法や刑事訴訟法の授業では修得が難しい基礎知識や思考方法を身につけることを目指す。
履修条件 (1)刑事法系の法律基本科目(刑法、刑事訴訟法)で修得する基本的な知識を有していること。
(2)法科大学院の「展開・先端科目」であることから、自分なりの問題意識と目的を明確にもって履修してもらいたい。
到達目標 カリキュラムマップ、到達目標科目対応表及び学修ロードマップを参照のこと。
授業の概要  授業では、(1)法・制度体系上の位置づけ、(2)問題の歴史的位相、(3)国際(人権)法上・比較法上の位置づけ、(4)犯罪学・刑事政策学上の知見を確認していく。 
 「展開・先端科目」であるので、 刑法や刑事訴訟法など、少年法と関係が深い分野における基礎的な既学修事項の確認も併せて行う。受講者がすでに身につけているはずである知識や理解を確認しながら、新しい知識と思考方法を修得してもらえるよう工夫する。
 参加人数が少ない場合、ゼミ形式の授業形式の採用も検討する。
授業の概要(英語) This lecture examine the key problems about juvenile delinquency and the juvenile law in Japan. This course focus on criminological theories, historical fact, international standards and the legal system about juvenile delinquency.
授業計画 第1回 少年司法制度の概観(刑事司法制度との違い)とこれまでの改革動向
第2回 国際条約と国連準則、少年非行の性格と少年司法の役割
第3回 少年司法の物的対象、人的対象①犯罪少年
第4回 少年司法の人的対象②虞犯少年、触法少年
第5回 少年司法の人的対象③触法少年、少年事件の捜査①
第6回 少年事件の捜査②、観護措置
第7回 社会調査と審判手続
第8回 事実認定と修正された審判手続
第9回 処遇の種類とその選択基準
第10回 一事不再理(二重の危険禁止)
第11回 不服の申立て
第12回 検察官送致と再移送、少年に対する刑事手続
第13回 少年に対する刑事処分
第14回 推知報道の禁止
第15回 特定少年をめぐる諸問題
授業の進め方  この授業では、Moodleを用いる。受講者は、Moodleへの登録をお願いしたい。
 講義案と予習課題は、九州大学に在席する学生であれば使えることになっているMoodleとOnedriveを通して、受講者が事前に各自でダウンロードできるようにする。
 受講者には、事前に比較的簡単な予習課題を示す。授業では、基本的知識と制度理解を進め、応用的問題の何が問題かを理解できるようにする。授業は、可能な限り、双方向・多方向で授業を進める。受講者には自分の考えや意見の表明を求める。授業進行の支障にならない限り、授業時間中の質問や意見陳述を歓迎する。なお、授業は、糾問的には行わず、少年審判と同様に、「懇切を旨として、和やかに行う」(少年法22条1項)ようにするので、心配は無用である。
 刑法や刑事訴訟法など、少年法と関係が深い分野における基礎的な既学修事項の確認も併せて行う。
教科書及び参考図書等 武内謙治『少年法講義』(日本評論社、2015年)
*本書は2021年の少年法改正には対応していないので注意すること。法改正の部分は、講義案で補う。
試験・成績評価等  この授業では、授業における双方向・多方向でのやりとりを通して法学・犯罪学上の基本知識や、少年法特有の思考方法の定着を図るとともに、先端的な理論問題や、実務上ありうる事案をシミュレーションした学生同士のディスカッションを行うことも予定している。それらをも踏まえて多角的な観点から評価を行うため、期末試験は行わない。
 単位認定は、(1)レポート(70%)、(2)小テスト(15%)、(3)講義中の発言・態度・質疑応答(15%)による。また、毎回の授業で取り上げた問題に関する質問1つを記した「リアクション・ペーパー」を用いて、知識の定着をより確実にする。「リアクション・ペーパー」は(3)による評価に含める。
事前学習  事前に示された予習課題の回答を準備してくること。授業計画を参考に、教科書の関連箇所や関連する裁判例に目を通しておくこと。
課題レポート等  授業にあたり準備してくる課題は、予め示すようにする。レポートの課題は、十分な準備期間を確保して示すようにする。
オフィスアワー  授業時間前後に、質問を受け付ける。また、事前のメール連絡をもとにzoomにより適宜質問、相談を受け付ける。授業時間中の質問も歓迎する。
 メールによる質問も受けつけるが、時間の関係上、授業時間の冒頭に質問内容の紹介と併せて回答を行うことがあることを予め了承してもらいたい。
その他  授業で用いる課題と講義資料は、受講者であれば自由にダウンロードできるようにする。
【重要】
 第1回目の授業から課題と講義資料を用いる。受講の可能性がある者は、<名前・学籍番号・受講目的・講義内容や方法に関する要望>を簡潔に記入して、授業開始1週間前までに、メールを武内まで送ること。講義資料をダウンロードする方法を折り返し連絡する。