2月13日から22日に行われたYLP法律事務所インターンシップ通訳としての活動にGV生が数名参加しました。YLPは、アジア諸国等の指導者として活躍が期待される行政官、経済人等の若手指導者を、我が国の大学院等に招へいし、1年程度の短期間で学位を授与する留学プログラムです。九州大学は2001年にYLP(法律コース)を開設して以来、毎年アジア各国から裁判官、検察官、行政官、弁護士などを受け入れています。
以下は、法律事務所研修に参加したYLP留学生のための通訳として活動したGV1年生の感想です。
GV1年、中尾 文音:通訳の仕事は、事務所の方とのスケジュール調整や法律相談の見学の際の内容の説明など、日本語全般を英訳することでした。通訳が始まってから数日は即座にわかりやすい英語に訳すことに慣れず、言葉に詰まってしまうことが多々ありました。また、法律の実務の中での複雑な事実関係や難解な概念など、日本語でも理解が難しいことを英語で伝えることにとても苦労しました。しかし、訳する作業を積み重ねていく中で適切な表現方法を模索し、徐々により正確に、明快に訳していけるようになりました。また、日ごろ勉強している法学の知識が実務で使われている様子を見ることで、法学の理解を深めることにもつながりました。
担当の韓国人留学生に訴訟の書類や法律相談の内容を伝えていく中で、日本と韓国との法の違いや韓国の法科大学院制度、司法の現状について知ることができ、日本の法制度を客観視することにつながり、また他国の法制度などについて日本との違いを理解し互いの立場を尊重することの重要性も感じることができました。

今回のインターンは二週間という短い期間でしたが、自分の英語力や法学の知識の不足を認識することができた一方で、留学生と共に弁護士の実務を見学するという貴重な機会を通して法律が社会で役立っていく様子を知ることができ、通常の法学の勉強では得られないことを沢山学ぶことができました。この経験を生かしていくためにも、より一層法学と英語の勉強を頑張りたいと思います。
GV1年、森田 彩耶:事務所では、弁護士の先生が今までに、民事訴訟で担当された事案のうちの一つについて、事件の概要や訴訟内容、判決内容について詳しく教えていただいたり、調査や法廷での説明で使用した資料を見せていただいたりしました。そして、それらが何を表しているかについて英語で学生に説明しました。
まだ本格的に法律を学習していない私にとって、法律用語の翻訳は難しかったですが、法曹の実務内容に触れたことは勉強になり、自分の将来の働き方について、視野を広げるきっかけとなったと思います。
事務所以外でも、弁護士の先生の業務を見学させていただきました。法律相談に同席させていただき、相談と回答の内容について英語で説明した際には、遺産相続や親権の問題など、自分が今学んでいる法学の内容の発展内容・実践内容の話が出てきて、高年次で学ぶ法学の内容への関心が高まったと感じました。
先生が代理人として担当されている実際の調停に同席させていただき、調停を見学させていただいた際には、担当のYLP学生の出身国の調停制度との比較や質問などの通訳を行いました。日本と外国の司法制度を比較することで、日本の制度が何を目的に作られているのか、それが他国のものとどう違うのかなどに気づき、日本の制度についての理解を深めることができたと強く感じます。
GV1年、齊藤 凪沙:事務所では、刑事事件から民事事件まで幅広い裁判記録をみせていただき、実務の場でどのように法が役割を果たしているのか実感することができました。そう感じると同時に、自分の法学に関する知識の浅さを実感しました。中にはまだ習ったことのない用語が度々出てくるものがあり、そのような言葉に出会う度苦戦しましたが、難易度の高い単語を知ることでこれからの法学の学びへのモチベーションが高まり、視野も広がったのではないかと強く感じます。さらに、実際に弁護士の先生方が出頭している会議や裁判を傍聴させてもらいました。実際に裁判がどのように進行されているか肌で感じることができ、非常に良い機会となりました。
また、YLPの学生と関わる機会が多くあったことが最も有意義な時間であったと感じます。私が担当したLL.M.の学生はタイでは実際に検察官として働いているそうで、タイの裁判制度や法学部の制度について沢山話を聞くことができ、日本との違いを実感することができました。また、通訳については苦戦した場面も多くありました。特に裁判記録を説明する際には、まず初めに自分がその裁判の争点等について理解する必要があります。その後YLPの学生に英語で説明を行う際にも分からない単語が多いことを実感しましたが、慣れていくにつれて言い回しなどが上達していくのも実感しました。
このインターンシップ通訳は全体的にかなり難しい作業も多くありましたが、少しレベルの高い環境に身を置くことで、これからの自身の学習への刺激になったと感じます。
