[2022年度・後期] 短期派遣プログラムでの学び:私が参加したマラヤ大学のSEPについて

11月末から約2週間にわたり、7人のGV生がマレーシアのマラヤ大学で研修を行いました。コロナウイルスのパンデミックにより長い間対面での国際交流を行うことができませんでしたが、GVプログラムでは約2年半ぶりに対面ワークショップの参加を実現させることができました。

この研修では、国際人権法や、特に今回のワークショップのテーマである中絶について、マラヤ大学や他に参加していたインドネシアの学生と知識や意見を共有し、理解を深めました。さらに、マレーシア文化を知るための観光も企画されており、学術だけでなく文化交流の観点からも、大変充実した2週間となりました。

他国の学生とのプレゼンやディスカッションを通して、今回のワークショップでは国際的な人権問題である中絶をテーマに、各国の状況を比較しながら人権についての知識や意見を共有しました。

中絶問題に関しては、胎児の生きる権利と母体(女性)の中絶を選択する権利が対立しているという考え方は世界共通の認識で、その対応としても基本的には中絶は禁止されているが例外的に認められる場合があるというように一致していました。中絶を受ける女性の権利は、ヨーロッパと比べて日本ではまだあまり容認されていませんが、マレーシアはその日本以上に中絶に対して反対意見を持っている人が多いと分かりました。これはマレーシアではイスラム教の教えに基づいて中絶を禁止とする意識が広まっているからと考えられます。

中絶の問題に加えて、各国の法律制度についても学びました。多民族国家であるマレーシアでは特にムスリムを対象とする法律であるシャリーア法があり、日本社会と状況が大きく異なる点でとても興味深く、マレーシアの法システムに関する講義を受けるのは大変有意義な時間となりました。

さらに、海外の学生との学術的な交流を通して、彼らの英語力や法律を学習することに対する意欲の高さを実感したと同時に、私も彼らに追いつけるように努力しなければいけないと強く感じました。

また、国際文化交流においてもたくさんの気づきや学びを得ることができました。特に印象的だったことは、海外の学生が予想以上に日本文化(特に音楽や漫画、アニメなど)についてよく知っていたことです。他国の学生の視点を介しての日本の印象などを知ることで世界の中の日本を客観的に見ることができ、面白かったです。他国と自国を比較し、価値観の違いや文化の違いに気づくことができ、視野が大きく広がったように感じます。反対に私はマレーシアやインドネシアの文化に関してあまり知らなかったので、もっと世界を見渡して、様々な国や地域の文化に関心を持ちたいと感じました。

今回の研修ではマレーシア、インドネシアの学生と交流しましたが、研修中に出会った海外の学生とは今でも交流があります。このような貴重な機会に構築された人とのつながりを大切に、これからもGVプログラムで準備されているワークショップなどの活動に積極的に参加し、国際交流を深めていければと思います。

東 恵里奈