ALSA UM GVプログラムの1年生3名、2年生2名、3年生1名は2025年2月17日から23日までの7日間、マレーシアのマラヤ大学を訪問しました。マラヤ大学の学生の企画・運営のもと、法律を学んだり、マレーシアの歴史や文化を学んだりするなどとても貴重な体験をさせていただきました。

DAY1 プログラム初日は盛大なOpening Ceremonyに始まりました。Opening Ceremonyは参加者全員との初めての顔合わせで緊張しましたが、たくさんのかけがえのない新しい友達と出会うことができ、忘れられない1時間となりました。その後、マラヤ大学法学部のアイニー・アダム先生による刑法の講義を受けました。テーマは「死刑制度の存否について」。今回のSEPの参加者の出身国であるマレーシア、インドネシア、日本はいずれも死刑存置国です。同じ死刑存置国でも死刑をめぐる状況は様々で、「被害者の感情を和らげるために死刑は必要だ」「死刑よりも更生を重視するべきだ」など、学生たちによる活発な意見交換によってとても有意義な講義の時間になりました。午後からは、班ごとにスタンプラリー方式で校内を周りながら、マレーシアの伝統文化について学べる遊びを体験しました。その中の一つとして「バトゥ・スレンバン」と呼ばれる、マレーシアのお手玉のような遊びを体験しました。日本のお手玉は布の中に小豆が入っているのに対して、バティ・スレンバンは布の中身が種や豆が入っているそうです。国は違っても似たようなルールの遊びがあることに驚き、アジアの国々の文化の繋がりを実感しました。その一方で、使われる素材、材料の違いからその地域の暮らしぶりを遊びから読み取ることができて興味深かったです。

DAY2 2日目の主な日程は大学敷地内のモニュメントの前で集合写真の撮影、KLCCツアー、マレーシア議事堂訪問、カヤック体験でした。 KLCCツアーでは、世界的にも有名な超高層ビルであるペトロナスツインタワーを訪れました。このタワーは東京スカイツリーよりも高いKLCCのシンボル的存在です。中は大型ショッピング施設に加え、大手総合電気メーカーであるサムソン電子といったビジネス施設も携えています。タワーの中で食事や買い物を楽しむ時間があり、特にタワーから見たクアラルンプールの町並みはとても感動しました。KLCCツアーの後はバスでマレーシア議事堂に移動し、議会を傍聴しました。議会ではマレー語でマレーシアの貧しい人の居住地についての議論が行われていました。議員には一人一人に時間が割り振られ、タイマーを用いて議長が議会の秩序を保っていることからその厳粛さを感じました。議会の見学後には若手の議員の方が我々一行と写真を撮る機会も設けてくださいました。1日の最後にはマラヤ大学の近くの川でカヤック体験を行いました。一隻二人乗りのカヤックでグループ対抗のレースを行いました。私たちは第一レースにインドネシアの学生と一緒に出場しましたが、前に進むことでさえも難しく、結果は最下位でした。グループみんなで応援しあい、絆を深めることができた良い時間になりました。

DAY3 3日目はマラヤ大学からバスで約3時間のところにあるマラッカを訪れました。マラッカでは主に「MALACCA PRISON MUSEUM」、「Galeri Warison Kota Melaka」の訪問とマラッカの旧市街地であるジョンカーストリートの散策を行いました。 MALAYSIA PRISON MUSEUMはかつてマラッカで実際に使用されていた刑務所がそのまま博物館となっている場所です。かつて使われていた刑務所とあって独房や家族と電話をするための部屋、共同キッチンや絞首刑が執行されていた部屋まで見学することができました。日本の刑務所は訪問したことがないので刑務所を肌で体感したのは初めての経験で、当時の囚人たちの暮らしに思いを馳せると、言葉には言い表せない複雑な感情に襲われました。見学の中で特に印象に残っているのはむち打ち刑のデモンストレーションを見学したことです。マレーシアでは今もなお囚人に対してむち打ち刑が行われています。日本では考えられない刑罰でとても衝撃的でしたが、日本とマレーシアの刑罰制度の仕組みの違いについて深く学ぶことができたと同時に、日本の刑罰の仕組みについても、もっと知識を深めたいと思いました。 午後はまずGaleri Warison Kota Melakaを訪問し、マレーシアの歴史について学びました。島国ではないものの海に面しているマレーシアではヨーロッパの国々と海を通じて交流をしていました。ギャラリーの中には船の模型や交易品を見学することができ、短い時間ではありましたが異文化に触れられる良い時間になりました。 最後にマラッカの旧市街地であり、観光地でもあるジョンカーストリートの散策をしました。様々な店がところ狭しと軒を連ねる通りはとても華やかで特に夜、市の明かりで通りが彩られている風景はとても美しかったです。

DAY4 4日目は、ACADEMIC ROLEPLAY SESSIONとDEBATE SESSIONの2つのアカデミックセッションがありました。 ACADEMIC ROLEPLAY SESSIONではマレーシアの刑法を題材として、グループでドラマ発表(演劇)を行いました。テーマとなる刑法の条文・シナリオとしては、過失致死(§304・交通事故による死亡事故)、危険な凶器による障害(§324・口論中にナイフで相手を負傷させる)、不法な拘束(§341・人を拘束し移動を制限する)、強盗・強盗未遂(§392/§398・鞄を強盗し、被害者を負傷させる)があり、各グループがそれぞれの条文が適用される状況を演劇で表現しました。短い時間の中でチームメンバー全員が一丸となって劇の完成を目指して準備に取り組んだこともあり、メンバー同士の絆を更に深めることができました。今までに法律を劇にして表現したことが無かったので、法律を学ぶ新しい手段としてとても新鮮な気持ちで学ぶことができました。 DEBATE SESSIONでは、マレーシア刑法に関する最新のトピックについて、各チームから3名が代表してディベートを行いました。討論テーマとしては、薬物密売に対する死刑必須化の是非、少年犯罪者に対しては収監よりも更生を重視することの是非、表現の自由に対する法律を撤廃することの是非、いじめの犯罪化の是非、マレーシアの死刑制度の廃止の是非があり、肯定側の政府と否定側の野党再度に分かれて討論を行いました。私はチームの代表にはならなかったのですが、ディベートを観戦する中でインドネシアの学生の圧倒的なディベートスキルには終始驚きの連続でした。私は1年生ということもあり、英語でのディベート経験がなく、説得力のある論の構成や主張の方法についてほとんど知識がなかったため、これからしっかり学んでいく必要があると感じました。

DAY5 プログラム最終日であるこの日は毎年恒例のカルチャーナイトとクロージングセッションが行われました。 カルチャーナイトでは、九州大学とインドネシアからの3つの大学、そして主催者であるマラヤ大学の学生たちがそれぞれ伝統的な衣装を身にまとい、歌や踊りを披露し、1週間のプログラムの中でも1番盛り上がるイベントとなりました。 インドネシアからの3つの大学は、同じ国から来たにもかかわらず、全く異なる衣装を身にまとい、それぞれ異なるパフォーマンスを披露してくれたので、インドネシアの伝統文化を存分に味わうことが出来ました。 私たちGV生は浴衣を着て参加しました。元々他の大学のように伝統的な踊りを披露しようとしていたのですが、マラヤ大学の学生からの強い要望に受けて、私たち以外の参加者も一緒に踊れるようなアイドルのポップな曲を選びました。1つは最近流行っている「私の一番可愛いところ」という曲で、もう1つがAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を披露しました。多くの学生に一緒に踊ってもらいたかったので、私たちが軽く振り付けを教える時間を設けました。いざ音楽が流れ始めると学生たちはい一斉にステージに上がり、会場全体で素晴らしいステージを作ることができました。最後はマラヤ大学のパフォーマンスだったのですが、マレーシアにいる3つの人種、マレー系の方と中華系の方とインド系の方がそれぞれの伝統的なパフォーマンスを披露してくれて、マレーシアという1つの国の中でそれぞれの人種の方がそれぞれ独自の伝統文化を持っている、その多様性を強く感じました。 以上で今回のマレーシア派遣プログラムの活動内容の説明は終了となります。 マレーシアの人々はみなフレンドリーで日本から来た私たちをいつも温かく迎えてくださいました。私は今回の研修で初めて海外に行ったのですが、初めての国がマレーシアで本当に良かったです。このプログラムでできたかけがえのない友人たちにまたいつか必ず会いに行きたいです。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
吉冨実結・木村杏南
