
今回は、九州大学LL.M. 1期生(1995年卒業)、現在はアメリカで弁護士として活動されているRandal Murdockさんから、「Current US Government and the Law」というテーマでご講演頂きました。法学を学ぶ者として、大変興味深いお話を聞くことができました。
本講演では、主要なアメリカでの問題について、三権分立の現状、憲法危機、貿易政策、移民・留学生の問題などが中心として取り扱われました。
中でも興味深かったのは、三権分立の現状と憲法危機についてです。2025年1月のトランプ政権移行後、日本においては、日本国民・企業に直接的な影響の大きい相互関税政策や留学生の受け入れ拒否の報道が大々的になされていました。ここだけを切り取ると、トランプ政権は特に対外的に強硬な政策を取っていると思われがちだと思います。しかし、今回のお話で、執行機関の権限拡大という、アメリカ合衆国の基礎となる憲法を揺るがす対内的問題にも直面していること、そしてその重大さを初めて知ることができました。本来執行機関が持たない公務員罷免権限を大統領令という形で行使したり、議会に固有の立法権を大統領権限による非常事態宣言や圧力で実現したりするなど、執行機関の拡大により三権分立・チェックアンドバランスが危機に瀕しているそうです。この現状を聞き、日本にとって他人ごとであるとは思えませんでした。日本においても議院内閣制と三権分立のアンバランスさは長年指摘されている通りであり、内閣の過度な拡大の結果として現在のアメリカを想起することは容易であるように思えます。
講演の締めくくりとして、法学者や法曹は現状をどのようにとらえ、行動しなければならないか、と問いを投げかけられました。本講演は、法学を学ぶ一人として、なぜ学ばなければならないのかを考える大きな契機となりました。今回知ったことを今後の学習で生かしていきたいと思います。
中尾文音(3年)

私は今回「Current US Government and the Law」というテーマでLL.M1期生の方の講演を聞いて、アメリカ政府の現状について理解を深めることができました。トランプ氏がアメリカ大統領選挙に2期目の当選を果たしてから彼が様々な分野で大きな変革を推し進めていることは日本でもニュース報道等で大きく取り上げられていますが、その報道は日本にもたらされる影響についての話が多いように感じています。しかし今回の講演では関税政策やイスラエルの問題に対するアメリカの対応、アメリカが直面している憲法上の危機などについてお話があったのですが、アメリカ国内におけるトランプ政権の影響という今まであまり詳しく聞く機会のなかった観点からのお話が多く、学びの多い時間になりました。講演の最後には、私たちは何をすべきなのか考えて行動することが大切であることや世界規模でみると与えられる機会は異なり私たち次第であることを話してくださって、私はこのお話を聞いてこれからは世界中の様々なことに関心をもつことを大事にして行動にうつしていこうと思いました。
黒木怜沙(1年)

6月20日に行われたRandal D. Murdock氏による現在のアメリカの情勢に関する講義は、GVプログラム生とLL.M生を対象に開催されました。Randal D. Murdock氏は、現アメリカ政府が大統領の性格に大きく影響されているということを述べ、その後具体例としていくつかの具体例を挙げました。まず貿易政策です。全輸入品に一律10%の関税、中国には最大60%の関税を課す案を検討しており、それに対してアメリカと比較的良い関係を築いてきた日本や韓国はそれほど大きな悪影響は受けにくいとされています。米中の経済切り離しを進め、国際機関より二国間交渉を重視する姿勢も継続し、国内製造業や雇用保護のため、サプライチェーンの国内回帰を促すとされます。トランプ政権の諸外国への対応は移民政策にも反映されています。不法移民の大量送還や国境の壁建設再開など、強硬路線の再強化が柱とされます。コロンビア大学などでの反イスラエル・デモを受け、外国人留学生による政治活動を制限し、ビザ取り消しの対象とする方針も表明しています。また、合法移民にも厳格な審査を導入し、治安や雇用を理由に全体的な移民抑制を進める姿勢を示しています。今年度の1年生前期のGVセミナーでもトランプ氏が指示したハーバード大学の留学生への措置についての記事を読み討論を行いました。Randal D. Murdock氏の講義から私たちは現在のアメリカの政策の特徴を具体例と共に深く理解することができました。
本田レナ(1年)
