[2022年度・後期]「Tun Suffian Moot Court Competition」の感想

私は、昨年の12月に実施されたTun Suffian Moot Court Competitionに参加しました。この模擬裁判はマレーシアにあるマラヤ大学が主催しており、九大を含む6つの大学が参加していました。この模擬裁判のテーマは「人権」であり、事前に与えられた問題を精読した後、弁護側、検察側それぞれの視点から主張を考えていきました。準備は9月頃からはじめ、1週間位1回は必ずミーティングを行いながら準備を進めていきました。また、今回参加した4人のうち3人が1年生で1人が2年生ということもあり、準備の段階で右往左往することもありましたがPeter先生やGVの先輩方、Clarenceなどからの親身なサポートのおかげで無事に模擬裁判をやり遂げることができました。残念ながら裁判で勝つことはできませんでしたが、私はこの模擬裁判に挑戦したことで2つの学びを得ることができました。

1つ目は「裁判がどれほど大変か」ということです。私はこの模擬裁判に参加するまで「裁判」というものを実体験したことがなかったため、裁判がどのような準備の下行われるのかをほとんど知りませんでした。しかし、この模擬裁判に参加することで、事件の概要を詳しく把握し、法律、判例や国際条例に基づいてメモリアルを作成することが必要なこと、裁判で使う独特な英語表現があることを学びました。メモリアルは完成するまでに何度も何度も訂正する必要がありとても大変でした。また、法廷で使う英語表現は今まで聞いたことがないものばかりだったので混乱することもありました。しかし、裁判をやり遂げた後の達成感や満足感は言葉で表せないほどのものでした。また、このような経験は普通に生きていく中では体験できない貴重なものなので挑戦して良かったと思います。

2つ目は「自分の役割に責任を持つことの大切さ」です。メモリアルを作るにあたり、複雑な事件の概要を完璧に把握・整理しておく必要があったので、私たちはメンバーごとに役割を分担して後から内容をシェアする形式をとりました。そのためメンバー1人1人が自分に与えられた役割をしっかりと果たす必要がありました。だからと言って担当者だけに責任を負わせるのではなく、協力できる部分は積極的に協力し、困っていたら助けてあげるなど、私たちはチーム全体が一丸となって準備を進めることができました。このように自分の役割に責任を持ちつつ、他への気配りを忘れないことは社会に出た後も大切になると思うので、早いうちに身をもって学ぶことができて良かったです。

実際、模擬裁判は想像の何百倍も大変で、準備の段階でくじけそうになることが何度もありましたが、他のメンバーや周りの方々のサポートのおかげでやり遂げることができました。このような貴重な機会を1年生の私に提供して頂いたGVプログラム、およびサポート・応援をして頂いた方々に感謝します。

川原 滉平