就職活動について

GVは、法学部からLL.M.への一貫教育をモデルとして掲げていますが、必ずしもそれが義務付けられるものではなく、卒業後の進路選択においても学生ひとりひとりの自律性が重んじられています。実際の進路としては、LL.M.への進学、法学府や法科大学院への進学、公務員や民間企業への就職など、多様な業界で活躍することが期待されています。今回この記事を担当します私は、学部4年生で卒業し、この春から国内のコンサルティングファームに就職する予定です。

私は高校時代「大学では英語を手段として(何かを)学びたい」と考えGVを受験しました。そのため、当時は学部時代に長期留学をしてLL.M.に入学することが目標でした。入学後、一般の法学部生と同じ授業をこなしながら、並行して裁判所での通訳や模擬裁判の国際大会出場など語学力を前提とした法の知識のインプットとアウトプットを繰り返し、活動を通して様々なバックグラウンドを持つ法学部生や弁護士と知り合い交流する中で、「自分もまずは自国の法やその在り方について知るべきだ」という考えに至り、2年生の終わりに、留学はせず法科大学院を目指す方向に進路を転換しました。大学3年目は、それまで毎日通っていた部活をきっぱり辞め、同じ志を持った仲間が集まるゼミに入って判例研究に没頭した1年でした。そうすると今度は、国内で活躍する弁護士や裁判官との繋がりができ、実際に法を扱う現場を目の当たりにしたとき、私は、「今ある法律を使って人々を助けることも大事だが、今ある法律を、よりこの国の実態に即したものに変えていく、あるいは、今本当に必要な法律を、柔軟に立法していく、そしてそれらが可能な環境をつくることが必要とされているのではないか」と考え始めました。三権分立、ということばを習ったかと思いますが、その考え方に拠って言い換えるとすれば、司法ではなく立法の分野に関わりたいということです。その思いが日に日に強くなり、3年生が終わろうとする時期に、就職活動開始に踏み切りました。

就職活動と「ガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだことは何ですか)」は切っても切り離せない関係にあります。この2つのワードを検索にかけると、バイトや部活での経験がずらっと並ぶかと思います。しかし私は、GVでの活動です、と答えることにしていました。今の私は、紛れもなくGVで出会った仲間と、GVでの経験によって成っているからです。大学4年間で、学業にも部活にもサークルにもバイトにも趣味にも全力投球したことは間違いありませんが、最も自分を追い込み成長させたのはGVであると胸を張って言えます。

コンサルタントとは、自動車メーカー、食品販売業、金融機関、教育機関、スポーツチーム、行政機関などを顧客とし、経営状況や世の中の動きを分析することで、戦略、人事、会計などにおいて提言をし体質改善のお手伝いをしていくお仕事です。あらゆる分野で働くひとを知り、あらゆる分野の現状を体感することができるこの職種に就くことが、前述した目標に到達する一番の近道だと信じて、春からの新生活を楽しみにしています。

私は卒業しますが、近い将来にまた、GVの仲間と再会したいです。きっとお互いの近況や思いを聞いて触発され、また新しいことにチャレンジしたくなると思います。そうやって、いつまでも切磋琢磨しながら、全員がそれぞれの道でステップアップしていく、GVはそのような集団であると実感しました。

(佐藤風乃香)