マラヤ大学法学部での模擬裁判

GVプログラム2期生の櫻井です.
2019年11月15,16日に, マレーシア のマラヤ大学法学部主催で行われた”Tun Suffian International Human Rights Law Moot Court Competition 2019″ に他の3人のGV生と共に参加してきました.

模擬裁判は九大生にとってあまり馴染みがないものかもしれません. 模擬裁判は, 架空の紛争に関して, 私たち自身のリサーチを通して原告・被告に分かれて立論をして法律的な議論をするものです.

結論から言えば, 大学4年間の中でも屈指の良い経験になりました. というのも法学部においてGV生が身につけるべきスキルである国際交渉力, つまりは法学的思考や法学的知識, 英語での発信力, これらを包括的に試すことができたからです.

模擬裁判の準備は, 夏から本番の秋まで継続して行われます.
3ヶ月前である8月に模擬裁判において扱うケースが発表されました. 今回は難民の人権に関する紛争がテーマでした.
私たちはこのケースに対して, 何が問題なのか, どんな法律が適用できるのか、また、それを支える判例はあるかなどのリサーチを通して, 準備書面(Memorial)を作成します. 準備書面の執筆では, 普段の法学部生活で獲得した知識や能力を存分に生かして取り組むことになります. 私にとっては, 貴重なアウトプットの機会になりました.
そして, その準備書面に基づいて裁判官への口頭弁論(Oral Submission)の練習を繰り返します. 書面通りではなく, いかに裁判官を説得できるか, 裁判官に伝わるかを考えながら, 伝える力を鍛えます.
模擬裁判当日は裁判官による口頭試問を行います. 私たちは準備書面を元に口頭弁論を行い, それに対して裁判官は準備書面を参照しながら, 適宜私たちに質問を投げかけてきます. 質問に答える際も, 結論から話すなどできる限りわかりやすく伝えることが必要なのですが, 問題を論理的に考える力やそれを英語で伝える力など, 様々な力が要求されます.
結果として, 当日は勝利を掴み取ることはできませんでしたが, 模擬裁判を通して, GV生に求められる”国際交渉力”とはこういうものをいうのだなと再確認することができ, 今後への大きなモチベーションを獲得することができました.

今回の”Tun Suffian International Human Rights Law Moot Court Competition 2019″ には, シンガポール国立大学をはじめとしたアジア各地のトップの大学が参加していました. 模擬裁判の対戦相手と口頭試問終わった後に, また, 用意してくださった会食の時間等に, そんな大学生たちと交流することで, 自分の将来のキャリアパスや, 法学への向き合い方などを考える良いきっかけになると共に, アジア各地に先輩, 友達ができました.

日本から1校だけ参加している九大の代表として, この模擬裁判に参加させてくださったGVプログラムの皆様にはとても感謝しています. ありがとうございました. 準備から本番まで一緒に走り抜けてくれた3人もありがとう!
これからGVプログラムに入る高校生, GVプログラムの後輩たち, ぜひ2年後の模擬裁判に参加してみてください. きっとみんなの糧になることでしょう.

(櫻井一貴)