LL.Mと就活の1年間

LL.Mと就活の1年間

私はGVプログラム一期生として、2018年の夏に法学部を早期卒業し、秋からLL.Mに入学、2019年春に内定をいただき、同年夏にLL.Mを卒業しました。先例があまりないため、これから早期卒業でLL .M入学を希望し、就活もしたいという大学生や高校生がいたら、大学院での生活や就活について、参考になれば嬉しいです。

LL.Mでの1年間は、日本にいながら留学をしているような国際的な環境で生活することができました。クラスメイトはアジアやヨーロッパなど様々な国から留学していて、バックグラウンドも弁護士や裁判官、国家公務員など様々でした。そのため授業では各国の法制度の違いや実務上の問題も度々話題になりました。日本ではどうなの?と聞かれる場面も多くてそういうところは留学中の環境ととても似ていると思いました。

企業弁護士や国際機関で働く実務家を招いた実践的な授業が多く開講されていた点もおもしろかったです。契約書を作ってみる、チームに分かれて交渉をするなど、国際ビジネスの場面を想定した授業では、これまで勉強した法律が実社会でどのように運用されているか考えることができました。

LL.Mでは一二ヶ月に一回フィールドトリップや学生主催の遠足を行っていました。それによってクラスメイトとの仲も深まり、学校生活でのことを相談できる仲になったと思います。特に留学生は、慣れない環境で家族や仕事がある中で勉強をしている人も多いです。そのため日本人の学生はサポーターとして頼りにされることが多かったのですが、社会人としての経験は私も彼らに助けられたことがよくありました。

このような1年間の中で就活はどのように行っていたかというと、私は他の就活生と同じようなタイミングでスタートしました。学部を卒業した夏頃から、興味のある業界もよく知らない仕事もインターンに行ってみたり、説明会に参加したりしていました。そのような中でだんだんと自分の軸が見えてくるようになったと思います。

日本にある企業で就活をするとなると多くの企業は春に選考を行います。そのためLL.Mの学生は、春から卒業のための修士論文を書きながら、面接などで遠方に行く回数も増えることになります。自分の性格や自分が大切にしたい価値観について考えておくこと(就活では自己分析といいます)を就活に関係なく高校や学部生時代にやっておいたり、少なくとも冬までには具体的な方向性を絞っておいたりすることで、この時期は効率的に就活ができるのではないかと思います。
私の場合はCSR(企業の社会的責任)という分野に興味があり、研究テーマにしていました。就活ではその延長上でやりたい仕事を絞っていくようにすると、自分もエントリーする企業で働くイメージができ、一貫性と納得感を持つことができました。これによってエントリーは数社に絞った状態で春の本選考に臨むことができました。最近では研究や留学で卒業が先でも選考を受けることのできる企業もありますし、学年関係なくインターンを受け付けている企業も多いです。LL.M在学中の就活に不安がある人は、そのような方法もおすすめです。

1年という限られた時間で学位と内定をとるのはとてもチャレンジングだと思います。しかしそれをやり終えた達成感はとても大きく、一生大事にしたい仲間もできます。GVプログラムの貴重な機会や経験を生かして、充実した学生生活を過ごしてほしいと思います!

(貞松陽菜)