[2020-1]「Case Study」GVゼミ

今学期、私たち3年は毎週水曜日にオンラインにて集まり、英語での判例発表を行いました。九州大学法学部では3年から高年次演習が始まり、専門性を深めていきます。そのため、異なるゼミに属する8名それぞれのメンバーがゼミでの学びや興味関心のあるテーマの判例を持ち寄り、英語にて共有しました。しかし、英語で判例発表を行うことは、決して簡単なことではありませんでした。英語で分かりやすく伝えるには、その判例や事案へのより深い理解と正確な説明が求められるからです。この難しさを発表準備の過程で痛感しながらも、初めてこの判例を学ぶ他のメンバーに理解してもらい、自分の主張を伝えるためにはどう工夫したら良いのかを模索しながら、スライドや論理的説明を意識し、発表に備えました。日本語では見逃しがちな点についても、何度も繰り返し判例を読み直す作業を行う過程でしっかりと把握し、自分自身の理解も深まったと思います。

私は、知的財産法ゼミに所属していることから、2020年6月5日に参議院本会議で可決、成立した改正著作権法に伴うダウンロード規制に関心を持ち、現在の我々の生活に欠かせないネット利用に関する違法ダウンロードとそれに伴い留意すべき利用者の萎縮効果等に関して発表しました。発表準備の過程で自分では理解できない点や納得のいかない部分もあり、発表では、そうした自分が抱いた疑問点や意見を皆と共有しました。先生や他のメンバーからの意見を聞くことで、自分が気にかけていなかった点や知らなかった知識を得て、再考できたことは貴重な経験でした。また、他のメンバーからの質問や意見により、議論が広がっていったようにも感じます。他のメンバーの発表としては、国際法からみた人権保護や医療過誤に関する民法判例、在日外国人の選挙権に関する憲法判例、混合診療に関する社会保障法といった、8名それぞれの普段の学びや関心に沿ったテーマが挙げられ、毎週様々な分野への理解を広げることができました。

私たち3年生の多くは、今夏から交換留学に行く予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期または中止を余儀なくされました。しかし、気持ちを持ち直し、再び海外でベストを尽くせる日まで、日本で力を蓄えようと思っています。これからも仲間と高め合い、法学でのそれぞれの興味と専門性を深めると同時に、英語力を伸ばしていきたいと思います。共に学び、刺激しあえる同期と私たちの学びを支えてくださるPeter先生に感謝しています。

(田島 桃子)