[2021-1] Book Discussion & Case Study: 3年GVゼミ

GVプログラム5期生の武丸奈月です。

私たち5期生は、2021年前期の前半に「Book Reading」の授業を、後半に「Case Study」の授業を週に一度の頻度で行いました。

まず、前半に行った「Book Reading」では、『Justice』(Michael.J.Sandel著)を読みました。この本の著者である、マイケル・サンデルは、ハーバード大学で政治哲学の講義を行っている政治哲学者です。日本でもNHK教育テレビにて、彼の「ハーバード白熱教室」という番組が話題になりました。本著は10章で構成されており、著者の立場が論じられる最終章までの各章では、カントやアリストテレス等のさまざまな哲学者の考えをもとに「Justice」とは何か、について論じています。

授業の方法としては、本著の各章ごとにその内容を発表する担当者を決め、プレゼンテーションを行いました。そして、その発表をもとに参加者全員でディスカッションもしました。ディスカッションでは、それぞれが抱いた疑問を話し合い、それぞれの哲学者の考えを比較することで理解を深めることができました。

後半に行った「Case Study」では、判例を英語でプレゼンし、その発表についてディスカッションを行いました。発表者は、各々が所属しているゼミで検討した判例や興味関心のある判例を持ち寄りました。

私は、所属している知的財産法ゼミで既に取り上げたことのある裁判例東京地判平成 13 年 7 月 25 日(平成13年(ワ)第56号)「はたらく自動車事件」を用いてプレゼンを行いましたが、決して簡単なことではありませんでした。準備をする過程では、法律用語を英訳することや、事件を英語で要約することに苦労しました。いくら日本語でその判例や事案について理解しているからといっても、その内容を英語で、かつ、裁判例について全く知らないメンバーが理解できるように工夫して発表することは非常に難しかったです。

毎回、メンバーが様々なテーマを持ち寄るので、今まで目を向けていなかった分野について検討することができました。また、他のメンバーからの質問や意見により、新しい疑問点が生まれ、議論が展開し、視野が広がったように感じます。

武丸 奈月