国際文化遺産法特殊講義 in Philippines

こんにちは!GVプログラム4期生の山本龍矢です。

夏季休業中に、我々GV生9名と他の法学部学生1名の計10名がICOMOSの会長でもある河野俊行先生の国際文化遺産法特殊講義に参加し、日本(8月)とフィリピン(9月4~13日)で活動してきました。

まず日本では、講義や課題図書を通じて世界遺産条約とその運用について知識を深めるとともに、ICOMOSが発行した英語の勧告文から、今回の模擬世界遺産委員会の題材であるオーストリアの世界遺産「ウィーン歴史地区」の状況を読解し、プレゼンにまとめるなど、フィリピンで行われる活動で用いる素材の事前準備を行いました。みんなで毎晩遅くまで残って勉強していたため、今思えば、日本での準備期間がこの講義のなかで一番大変な部分でした。

フィリピンでは、ICOMOSフィリピンの方に案内していただき、マニラの見学やパラワン島で、自然遺産であるプエルトプリンセサ地底河川国立公園の見学、シュノーケリングやカヌーを用いた自然環境観察を行ったり、パラワン大学の法学教授の方から、島の開発についてのレクチャーを受けたりしました。歴史的な街並みや美しい自然を堪能しつつ、遺産が抱えている問題について目を向けることができました。

また、UP Manilaを訪問し、世界遺産と観光をテーマにプレゼンを行い、世界遺産保護の観点から観光は推進すべきか、抑制すべきかについて現地の学生と議論しました。異なるバックグラウンドを持っている学生と意見を交わすことで多角的な視点を取り入れることができる貴重な機会となりました。

そして、今回の講義のメインである模擬世界遺産委員会では、アテネオ・デ・マニラ法科大学院にて、現地の学生と3人1組のグループで準備討論を経て、危機遺産リストに載った「ウィーン歴史地区」を世界遺産リストから外すか否かについて、各国の代表になったと仮定して意見表明、討論を行いました。最終的にコンセンサスを形成し、成功を収めることができました。同時に、自分自身の力不足を痛感する点もあり、今後改善すべき課題を見つけることができました。

講義全体を通して、ある一つの課題に対して忍耐強く取り組む力、世界遺産条約に関する専門的な知識、英語でのコミュニケーション能力の向上など、多くの力を身に着けることができたと思います。今回の経験を今後の学習に生かして、さらに自分自身を高めていきたいです。