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法科大学院の概要

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法科大学院長挨拶

九州大学法科大学院長 山下 昇

 九州大学法科大学院は、法科大学院制度の発足とともに、2004年に設立され、九州地域の法曹養成の基幹校としての役割を担ってきました。私たちは、その役割を果たすべく、理論と実務を架橋した教育課程を提供し、法律に関する実務に必要な学識等を修得した多くの人材を社会に送り出すために、教職員一体となって日々取り組んでいます。

 高度化・複雑化・グローバル化した現代社会の中で、人々と社会が求める新しい法律実務家像に合致した法曹を養成するため、九州大学法科大学院では、段階的・発展的で、双方向・多方向的な教育プログラムを通じて、プロセス重視の法曹養成を行うこととしています。また、社会正義の実現に寄与し、とりわけ九州地域の人々に貢献できるような、「人間に対する温かい眼差し」を持つ「社会生活上の医師」としての法曹の養成を、九州地域の法学部や他の法科大学院、弁護士会等の司法機関と連携しつつ行っています。

 2022年度からは、法曹コース修了者を受け入れ、法学部3年間(早期卒業)、法科大学院2年間(既修者コース)の5年一貫の教育連携を行うことにより、早期の法曹資格取得を目指します。現在、九州大学法学部、熊本大学法学部、鹿児島大学法文学部、西南学院大学法学部と法曹養成連携協定を締結しています。「法学部に入学して、法曹資格を取得する」というルートを確立し、法学部の学生の皆さんが「法曹になる」という目標を実現するために、ともに努力していきたいと思います。

 また、これまで通り、未修者コースや既修者コースにおいて、様々なバックグラウンドと高いモチベーションをもつ法科大学院生を広く受け入れ、総合大学という基盤を活かし、多様な専門領域の教員陣により、学生が体得しかつ選択可能な多種多様の学識を提供します。

 九州大学法科大学院では、法科大学院生の参加型の授業を実現し、ダイナミックな体系的知識の構築をサポートするために、少人数教育を実現しています。また、理論と実務との架橋を実質的に進め、実務系科目の教育を有益なものとするために、理論的見識の高い研究者教員と実務的経験に富んだ実務家教員を配置しています。

 そして、法科大学院生の自学自修を行う学修環境の整備にも努めています。365日利用可能な学修室、個人用ロッカー、専用図書室、インターネットによる学修支援システム(判例検索等)、専任教員によるチューター制度、修了生のための法務研究員制度などです。また、自宅からでも、インターネットを介して多様な文献にアクセスできるように、電子図書の拡充を進めています。

 これまで、九州大学法科大学院の修了生の多くが、福岡県をはじめとした九州各県で法曹として活動しています。修了生の若手弁護士が、後輩の学生大学院生の教育にも積極的に関わっていますし、様々な機会で、修了生と教員の交流もあります。学生・修了生と教員の距離が非常に近いことは、本学の特徴といっていいと思います。社会が日々変化する中で、法曹に求められる知識もアップデートしていかなければなりません。そこで、プロフェッショナルの法曹として活動していくためには、修了後も、継続して学ぶ姿勢が必要となります。九州大学法科大学院は、こうした継続教育を行うためのリカレント教育にも力を入れていますので、法科大学院生の皆さんとは、修了後も継続的な関係を築いていきたいと考えています。

 九州大学法科大学院の教職員一同は、皆さんが法曹になるという目標の達成に向けて全力で支援いたしますので、九州大学法科大学院の素晴らしい環境で法曹を目指していただきたいと切に願っています。

九州大学法科大学院長 山下 昇